矯正治療で歯茎が下がる?歯茎が下がる原因と対策を解説
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矯正治療で歯茎は下がる?
下の写真はある論文から引用した写真ですが、正しい治療を行わないと、歯茎が下がる可能性があります。しかし、正しい診断の元、正しい治療を行えばほとんどの場合は回避できますので、ご安心ください。今回は矯正治療で歯茎が下がる原因とその予防方法、また歯茎が下がってしまった場合の治療方法について解説していきます。
矯正治療で歯茎が下がる原因
①歯を骨のないところに無理やり並べる
下の写真のように歯は骨と歯茎に覆われています。矯正治療で歯を外側に移動させると、骨から飛び出てしまい、歯茎が下がってしまいます。本来抜歯が必要な歯並びに対して、無理な非抜歯治療や拡大治療を行なうと歯肉退縮が起こる可能性があります。
②歯茎や骨が元々薄い人
人によって歯茎や骨の厚みは全然違います。歯茎や骨が元々薄い人は歯を動かすと歯茎が下がる可能性があります。矯正治療を受ける前から歯茎が下がっている場合や、歯茎が薄い人は要注意です。
③歯ブラシの力が強い
歯ブラシを強くゴシゴシ磨きすぎている人も、歯茎が下がる可能性があります。
私がおこなっている、歯茎が下がらないための工夫
① CBCTとデザインソフトの融合
CTと呼ばれる3次元的なレントゲンとシュミレーションソフトを組み合わせ、歯が骨の中で収まるように設計します。こうすることで歯が骨から逸脱しないように、歯を動かしていくことができます。
② 歯茎が薄い人は、矯正前もしくは矯正後に歯茎を分厚くすることを検討
歯茎が元々薄い人や、すでに下がっている人は矯正治療を行なうと悪化する可能性があります。私自身は歯茎の移植も行うことができるため、そのような方には歯茎を分厚くする処置を提案しています。
次に矯正治療前、治療後に歯茎を分厚くした写真を載せておきます。どのタイミングが良いかは矯正治療の動かし方や歯茎の状態によっても変わってきます。
歯茎が下がっているのを放置したらどうなる?
歯肉退縮を放置すると78%の確率で、進行することがわかっています(Chambrone 2016)
元々歯茎で覆われていた歯の根っこの部分は、歯のエナメル質と呼ばれる頭の部分に比べ、虫歯になりやすいです。根っこの部分が虫歯になることを根面う蝕と呼びますが、今まで虫歯になったことがない人でも根面う蝕になることは多いです。
歯茎が下がっているのは見た目の問題だけでなく、将来その部分が虫歯になって歯を失うリスクが高くなることが問題だと考えております。
将来的に歯が悪くなるリスクが高いので、処置はした方が良いでしょう。
歯茎が下がってしまった場合の治療方法
歯茎が下がってしまった場合の治療方法には歯茎の移植があり、歯茎の移植のことを、根面被覆術(ルートカバー)と呼びます。
治療回数は通常1回で終わります。(経過観察や糸抜きは除きます)
当院には、過去に矯正治療していたが、歯茎が下がってしまったなどでお悩みの方もたくさん来られています。
また歯茎や歯周病の問題があって、矯正治療ができないと言われた方にも対応できますので、諦めかけていた方はぜひご相談ください。そのような方もたくさん当院では矯正治療を行なっています。
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