歯を前に出す矯正はできる?引っ込みすぎた口元を改善する再矯正治療を解説

「歯が引っ込みすぎて、口元が暗く見える」「笑ったときに歯が見えにくい」「前歯が内側に傾きすぎている」。このようなお悩みは、歯を前に出す矯正で、前歯の角度や位置を改善できる場合があります。

内向きになった前歯の角度を整えると、笑ったときに歯が見えやすくなり、歯の表面に光が当たって明るい印象につながることがあります。当院では、矯正後に歯や口元が引っ込みすぎたと感じる方の再矯正についてもご相談をお受けしています。

歯を前に出す矯正はできる?

歯を前に出す矯正(再矯正)によって、内側に倒れた前歯の角度を改善することは可能です。以下は実際の治療経過です。歯を動かせる範囲は、骨・歯茎・歯の根の状態や噛み合わせによって異なります。

歯を前に出す矯正
歯を前に出す矯正 口元の変化

歯列矯正して老けた印象になる原因

前歯が内側に傾いたり、後ろへ移動したりすると、歯の表面に光が当たりにくくなり、口元が暗く見えることがあります。また、笑ったときに歯が見えにくくなったり、唇の支えが変わって口元のボリュームが減ったように感じたりする場合もあります。ただし、顔の印象には歯の位置以外の要因も関わります。抜歯したことだけで原因を判断せず、治療前後の変化を確認することが大切です。

抜歯矯正 老け顔になる

歯列矯正で老け顔にならないために

歯並びだけでなく、お顔から分析し、前歯をお顔のどこの位置に並べるかが重要になります。当院ではお顔から分析し、どこに前歯を並べるのが理想的か必ず診断するようにしています。歯を抜いた場合、抜かずに治療した場合のシミュレーションも参考にしながら、ご希望を共有します。ただし、唇や皮膚を含む顔の変化を完全に予測することはできません。

Eラインが問題ない人は抜歯するかどうか慎重に判断してください

横顔が問題なく、歯並びのガタガタ、出っ歯が軽度の場合は要注意です。歯を抜くと口元が引っ込みすぎる可能性があります。歯を抜かずにガタガタ、出っ歯を治す方法もあります。

口元を引っ込めたい人は、抜歯矯正が適応です

口ゴボ、Eラインが気になるなどで、口元を大きく引っ込めたい場合は抜歯矯正が適応となります。

歯を前に出す再矯正治療とは

歯列矯正だけで改善する方法(難易度が高い)

引っ込みすぎた前歯を理想的な位置まで前に出す必要があります。一旦抜歯して閉じたスペースを広げていき、前歯を理想的なポジションに持っていきます。次にできたスペースに奥歯を移動させていきます。この時に理想的な位置にある前歯のポジションをキープしたいので、インプラントアンカーと呼ばれる小さなネジを使って前歯を固定する必要があります。

実際この方法は難易度が高く、治療期間も3年近くかかります。歯列矯正をして老け顔になってしまったのが、お悩みで再度矯正してでもなんとかしたいという方は治療する価値があります。レントゲンで骨の状態、歯の根っこの状態は確認して、事前に治療可能かどうか判断する必要はあります。

実際の経過写真

歯を前に出す矯正 治療方法
引っ込みすぎた口元を改善する再矯正治療

歯列矯正と詰め物で改善する方法(現実的な方法)

先ほど説明した、歯列矯正でスペースを作り前歯を理想的な位置に並べるところまでは同じです。

違うのは、できたスペースをセラミックやレジンの樹脂を使って埋めるという点です。出来たスペースが大きすぎる場合は、インプラントをする場合もありますが、そこまでスペースが出来る事はほとんどありません。先ほどの方法に比べると治療の難易度は下がりますが、人工物をご本人の歯に貼り付ける必要があります。歯を削る処置が必要かは、材料や歯の状態によって異なります。人工物なので、欠け・変色・脱離などにより修理や交換が必要になる可能性があります。

歯を前に出してできたスペースを樹脂で埋めている写真
歯を前に出す矯正治療後の写真

歯を前に出すことで顔の印象はどこまで変わるのか?

歯を前に出す再矯正では、まず内側に傾きすぎた前歯の角度や位置を整えることを目指します。歯が引っ込んで暗く見える、笑ったときに歯が見えないといったお悩みでは、歯の見え方が変化することがあります。

歯の見え方・明るさ、口元や唇のボリュームの変化

歯を前に出す矯正 唇の変化
引っ込みすぎた口元を改善する再矯正治療

前歯の角度が整うと、笑ったときに歯の表面が見えやすくなり、光が当たることで明るい印象につながる場合があります。歯そのものの色を白くする治療ではなく、歯の向きや見える面が変わることによる変化です。

また、前歯による唇の支えが変わることで、口元にボリュームが出たり、薄くなったと感じていた唇の見え方が改善したりする場合もあります。ただし、唇の厚みや動きにも個人差があり、変化の程度を事前に正確に予測することはできません。

人中やほうれい線の改善は予測できません

「人中が伸びた」「ほうれい線が気になる」というお悩みについては、歯を前に出すことで改善するかは分かりません。皮膚や筋肉、加齢なども関係するため、前歯の角度の改善と同じようにはお約束できません。

当院では、歯の位置や見え方として改善を目指せることと、変化を予測できないことを分けてご説明します。以前の顔に完全に戻すことや若返りを保証する治療ではなく、歯の健康と噛み合わせを考慮しながら、現実的なゴールを共有して進めます。

バッカルコリドーは改善する?

歯列の幅(アーチ)を広げることで改善は可能です。歯列の幅が狭くなると、笑った時のバッカルコリドーが大きく見える場合がありますが、抜歯矯正で必ず起こるわけではありません。それを再矯正で幅も拡げていきます。ただしご自身の骨や歯茎の幅を超えてまで歯を横に拡げることはできませんので、事前にどこまで可能かをレントゲンで確認します。

逆ガミースマイルは改善する?

笑った時に歯の高さが見えなくなることを、ガミースマイルの反対で逆ガミースマイルと言われることがあります。抜歯矯正でインプラントアンカーを使用し前歯を鼻の方向に移動しすぎた場合や、両顎手術をおこなった後に悩まれている方が多い印象です。歯の位置を下に下げていきある程度改善可能な場合もありますので、治療可能かは合わせて判断させていただいております。

歯を前に出す矯正の注意点(歯茎・骨の限界)

抜歯矯正で前歯が引っ込みすぎたのを再矯正で前に出していくのですが、いくつか注意点があります。

前歯を前に出していく場合、前歯の根っこの表面に歯茎や骨の厚みがあるかどうかが重要になります。あまりに骨や歯茎が薄い場合は、前歯を前に出していくと歯の根っこが骨からはみ出てしまいます。最悪の場合、歯の根っこが歯茎から飛び出してしまい、歯茎が下がってしまう場合もあります。

再矯正する際は、診察で歯茎の状態を確認し、レントゲンや必要に応じたCTで、前歯の根っこの周囲の骨の状態を評価します。

歯茎が薄い場合には、歯茎を厚くする処置を検討することもあります。ただし、歯茎を厚くしても骨の限界を超えて歯を動かせるわけではなく、移動量を抑えたり、再矯正が難しいと判断したりする場合もあります。

骨の限界を超えて、歯を前に出すと根っこが骨から飛び出て、歯茎が下がってしまう可能性があります。

上記写真のように、歯を前に出しすぎると、歯茎が下がる可能性があります。その場合は歯茎の移植を行い、歯茎を分厚くして回復する処置を行う場合はあります。当院では歯を前に出す技術に加えて、歯茎の移植も行うことが出来ますので、口元が引っ込みすぎてしまった方の再矯正も対応することが出来ます。

ラミネートベニアで改善する方法もあります

矯正をせずに、ラミネートベニアと呼ばれる方法でセラミックを前歯に貼り付ける方法です。引っ込んでいる歯を分厚くして前に出ているように見せる方法です。歯の形や色も改善できるというメリットはありますが、ご本人歯に人工物を貼り付ける必要があります。(歯を削らずにできる場合もありますが、歯の状態によって異なります)

口元引っ込みすぎた方の再矯正の治療費

再治療になるため、治療費が気になる方も多いと思います。当院でよく行なっている再矯正の価格例ですと、再矯正費72万円(税抜)、リテーナー代3万円(税抜)、出来た隙間をセラミック樹脂で埋める治療4万円x4箇所(税抜)となることが多いです。隙間をセラミック樹脂で埋める箇所は、最大で4箇所でそこから数が減る場合もあります。

実際に当院で再矯正をされた方の口コミ

Q&A

Q1. 歯を前に出す矯正は本当にできますか?
A. 状態によりますが、抜歯矯正で歯が引っ込みすぎたケースでは、再矯正により前歯を前方へ戻す治療が可能な場合があります。特に内側に向きすぎている前歯を元々の角度にすることは可能なことが多いです。骨や歯茎の厚みをCTで確認した上で判断します。

Q2. 上の歯だけ前に出す矯正はできますか?
A. 可能なケースもあります。上顎前歯の位置だけが原因の場合、部分的に前歯を前に出す治療が適応になることもあります。ただし、上下の前歯の重なりや奥歯の噛み合わせによっては、上下の歯列を調整する必要があります。

Q3. 歯を前に出すと歯茎が下がりませんか?
A. 骨や歯茎の厚みが不足している場合、歯茎が下がるリスクがあります。そのため当院ではCTで事前評価を行い、必要に応じて歯茎の処置を併用します。

Q4. 再矯正で歯に負担はかかりますか?
A. 1回目の歯列矯正で歯茎が下がっている場合や、歯根吸収が起こってしまっている場合は負担がかかってしまう可能性もあります。歯茎や骨の状態を苦慮し治療可能か判断させていただきます。

Q5. 通院頻度はどれくらいでしょうか?
A. 経過観察が5ヶ月に1度程度となるケースもありますが、治療段階や歯茎の状態によって通院間隔は異なります。実際に沖縄、九州、東京など遠方からお越しになられている方もいらっしゃいます。

まとめ

以上が老け顔になった場合の対応方法です。実際は難しい方法になりますので、誰でも出来るわけではありません。しっかり先生と相談してベストな選択をするのが良いでしょう。お悩みの方は一度ご相談ください。あなたにとってベストな方法を一緒に考えましょう。

口元が下がりすぎた方へ|まずはオンラインでご相談ください

口元が下がりすぎたとお悩みの方は、治療が可能かどうか、まずはオンラインで一度診察させていただきます。「歯を前に出したい」「笑ったときに歯が見えにくい」「前歯が内向きすぎる」など、気になっていることをお聞かせください。

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歯を前に出せるかオンラインで相談する

【執筆・監修者】

Mouth Peace 矯正歯科 院長 中村竜三(歯学博士)

Mouth Peace 矯正歯科(大阪府松原市) 院長

中村 竜三 Ryuzo Nakamura

  • 歯学博士
  • インビザラインドクター
  • 国際口腔インプラント学会 認定医

広島大学を卒業後、同一の医療法人に約8年間勤務し、副院長を務めました。一般歯科で多くの患者様を診るなかで、天然の歯を長く残すには噛み合わせと歯並びの改善が欠かせないと考えるようになり、歯科スタディグループ SJCD で咬合を学んだのち、矯正治療へ軸足を移しています。

はじめはワイヤー矯正を中心に100症例以上を担当。その後、尾島賢治先生のセミナーをきっかけにマウスピース矯正へ本格的に取り組み、2023年11月にMouth Peace 矯正歯科を開院しました。ワイヤー矯正で培った「どの歯をどう動かせば理想の仕上がりになるか」という知見を、マウスピースの設計にそのまま活かしています。

現在は、他院で「マウスピース矯正では難しい」と診断された方のセカンドオピニオンを中心に、毎月50件以上のご相談をお受けしています。マウスピースの設計はすべて院長が一人ひとりに合わせて行い、矯正だけでは解決しない症例に備えて、インプラント・セラミック・歯周治療・咬合の再構築まで当院内で対応できる体制を整えています。また、全国の歯科医師に向けたセミナー講師や症例検討会での講演も務め、現在も学会・研究会での研鑽を続けています。

略歴

  • 広島大学 卒業
  • 医療法人にて約8年間勤務/副院長を務める
  • プリベンチャル守口駅前歯科 勤務
  • 2023年11月 Mouth Peace 矯正歯科 開院

所属学会・研究会

  • 日本アライナー矯正歯科学会
  • 日本顎咬合学会
  • 国際口腔インプラント学会
  • 即時荷重研究会

講演・受講コース

  • 日本アライナー矯正歯科研究会 症例検討会 講演
  • 即時荷重研究会 症例検討会 講演
  • Ciao 特別講演
  • ドーソンアカデミー(米国式・咬合のコース)受講
  • FIDI インプラントコース 受講

診療で扱う分野

  • マウスピース矯正(インビザライン)
  • ワイヤー矯正
  • 噛み合わせ治療
  • インプラント
  • セラミック治療
  • 歯周治療

本記事は、Mouth Peace 矯正歯科 院長・中村竜三(歯学博士)が執筆・監修しています。内容は診療ガイドラインや学会・研究会での知見、および当院での診療経験をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は自己判断をなさらず、歯科医院にご相談ください。
なお、矯正治療は自由診療(保険適用外)であり、歯の痛みや違和感、歯根吸収、後戻りなどのリスク・副作用を伴う場合があります。