矯正後の歯茎下がり【歯肉退縮】 歯茎の移植

矯正後の歯茎下がり【歯肉退縮】 歯茎の移植

今回は当院で治療した、歯茎下がり(歯肉退縮)に対する治療をアップしました。

患者さんのお悩み、希望
矯正治療前から八重歯の歯茎が下がっていた。
マウスピース矯正で歯列矯正をして、歯並びはきれいになったが、歯茎が下がっているのが気になる。
治療方法
歯茎が下がっているため、歯茎の移植を行いました
治療期間
2回(施術、2週間後に糸抜き)

歯肉退縮  Before after

 歯茎が大きく下がっている状態
歯茎がきれいに回復している状態

治療後1週間後の状態

歯茎を移植した部位がまだ赤い状態、1ヶ月もすれば綺麗に落ち着きます

歯茎が下がることによる問題

見た目の問題

歯茎が下がっていることで、歯が長く見える、老けた印象に見えるなど見た目の問題が出る場合があります。

知覚過敏

歯茎が下がると、歯の根っこの部分が露出してしまいます。そうすると冷たいものが染みるなど知覚過敏の症状が出る可能性があります。

虫歯になる

歯茎が下がると、根の部分が露出します。根の部分はセメント質と呼ばれる組織でできていますが、歯の頭の部分のエナメル質に比べると、柔らかいため虫歯になりやすくなります。今まであまり虫歯になってなかったけど、歯茎が下がって根元が虫歯になるという方もいます。

放置するとどうなる?

歯茎が下がっているのを放置すると、10年後に8割程度はより進行するというデータがあります。私が一番問題だと考えているのは、歯茎が下がっている根元が虫歯になって将来歯を失うことです。

歯を将来失わないために、歯茎が下がらないように予防することが重要だと思います。

治療後の感想、治療費用

患者さんの感想
気になっていた歯茎下がりが治ってよかったです。治療中は痛みは全くなく、治療後は腫れが少し出ました。
リスク
治療後、腫れ痛みを伴う可能性があります。
費用
歯肉移植 10万円 (1ブロック)同時に行える場合は複数本でも同じ費用となります

その他の歯肉退縮の治療例

他医院様でのワイヤー矯正で歯茎が大きく下がってしまった患者様の治療結果です。当院で歯茎の移植を行い、とても喜んでいただきました。他で矯正治療行っている方でも、ご相談ください。治療費は1ブロッック(1回で施術できる範囲)で10万円となります。

よくある質問

歯茎移植の処置は痛み、腫れはありますか?

治療中は麻酔をしますので、痛みはありません。麻酔が切れた後は痛み止めを飲まないと痛みます。ほとんどの場合は痛み止めを飲めば治る痛みです。腫れは2~3日腫れることが多く、長いと1週間程度腫れが出る場合もあります。麻酔は局所麻酔で、虫歯治療で行う程度のものです。

どこの歯茎を移植するのですか?

上顎の内側の歯茎を採取し、移植部位に貼り付けます。採取した側はまた元に戻ります。コラーゲンを代用すると歯茎を採取する必要はありませんが、費用が多くかかります。ご自身の歯茎を移植した方がやや成績は良いとされていますが、コラーゲンでも大きくは変わらないという論文も多くあります。

通院回数は?

通常は施術が1回、その2週間後ぐらいに糸抜きで1回の計2回の来院が必要となります。

どこのクリニックでも出来きますか?

歯肉移植は歯科の治療の中でも比較的難しい治療ですので、どこでも出来るというわけではありません。治療例が多く、綺麗に治っているクリニックを選ぶのが良いと思います。また矯正治療も検討している場合は、矯正前に行うのか、矯正後に行う方が良いのかはケースバイケースですので、矯正治療と歯茎の移植を両方行っているクリニックが良いと思います。もしくは矯正の先生と歯茎を移植する先生が連携して治療を行っている場合も良いと思います。

歯茎が下がる原因は?

歯茎が下がる原因はいくつかあります。歯ブラシが強すぎる、元々歯茎が薄く下がりやすい、歯の位置が外側に飛び出ている、矯正治療で外側に歯を並べすぎたなどがあります。

【執筆・監修者】

Mouth Peace 矯正歯科 院長

中村竜三 (歯学博士)

インビザラインドクター

国際口腔インプラント学会認定医

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