八重歯はマウスピース矯正で治る?【抜歯あり インビザライン】

今回は当院で治療した、八重歯を改善した症例をアップしました。八重歯をマウスピース矯正で治療する方法など解説していますので、最後まで読んでみてください。

治療概要

患者さんのお悩み、希望
八重歯が昔からコンプレックスで人前で笑う時に口元を自然と隠してしまう。
噛み合わせも前歯が噛んでいないため、前歯でものが噛みきれない。
何軒か相談に行ったが、ワイヤー矯正でないと難しいと言われた。
治療方法
マウスピース矯正のみで治療。スペースが足りないため、八重歯の後ろの歯を抜歯して歯を並べています。
マウスピースは1週間に1枚、ご自宅で交換してもらい、顎関ゴムというゴムをマウスピース装着時に使用してもらいました。
治療期間
1年10ヶ月

八重歯のマウスピース矯正 Before & After

上下の八重歯とガタガタがある治療前の正面の歯並び
治療前の歯並び
八重歯をマウスピース矯正で治した後の正面の歯並び
治療後の歯並び
八重歯がある治療前の笑ったときの口元
治療前の口元の状態
八重歯をマウスピース矯正で治した後の笑ったときの口元
治療後の笑った時の口元
八重歯と前歯が噛み合っていない治療前の下から見た噛み合わせ
治療前の噛み合わせ
八重歯を治した後の下から見た噛み合わせ
治療後の噛み合わせ
八重歯が飛び出している治療前の横から見た噛み合わせ
治療前
八重歯を治した後の横から見た噛み合わせ
治療後

八重歯をマウスピース矯正で治療する方法

八重歯の治療方法(抜歯して治療する場合)

八重歯は歯並びにスペースが足りずに、犬歯と呼ばれる歯が歯並びから外にはみ出ている状態を言います。

飛び出ている八重歯を、歯並びの中に綺麗に並べるにはスペースが必要になります。

今回の歯並びでは、八重歯も治して、前歯も少し引っ込めたいという患者さんの希望がありましたので、小臼歯と呼ばれる八重歯の後ろの歯を抜いています。

今回ぐらいの歯並びであれば、抜歯せずに治療は可能です。ただ前歯の位置を引っ込めることはできません。

患者様の希望をしっかりお伺いし、最適な治療プランを説明させていただいております。

八重歯が外に飛び出している上の歯並びの3D画像
八重歯が飛び出ている歯並び。これぐらいであれば前歯を引っ込めない場合は抜歯なしでも治療できます。
八重歯の治療で前から4番目の歯を抜いた状態の3D画像
八重歯を治したい、前歯も少し引っ込めたいという希望があったため、4番目の歯を抜いています。
歯を抜いて八重歯を並べた後の上の歯並びの3D画像
歯を抜いて綺麗に並んだ状態
治療前(青)と比べて前歯が引っ込んだ上の歯並びの3D画像
元々と比較した状態(青色が元々の状態)
元々より前歯が引っ込んでいるのがわかります。

歯を抜かないで八重歯を治療する方法

今回のケースでは歯を抜いて治療を行なっていますが、歯を抜かずに八重歯を治療する方法についても解説していきます。

八重歯はスペースが足りずに、歯が飛び出している状態のため、スペースを作る必要があります。歯を抜かずにスペースを作る方法に遠心移動という方法があります。

遠心移動とは、奥歯を今の位置よりも奥に移動させ、前歯部分にスペースを確保する方法です。

奥歯を後ろへ動かして前歯を並べるすき間を作る仕組みの図
歯を抜かずに、奥歯を奥に移動させ歯を並べるためのスペースを確保します。(遠心移動)
内側に入り込んだ前歯を抜歯せずに並べた歯列の変化の図
ガタガタが大きくても適切な治療を行うことで、歯を抜かずに並べることも可能です。

ほとんどの場合、エラスティックと呼ばれるゴムを使用

マウスピースの上から上下の歯にゴムをかけた横からの歯並び

マウスピース矯正で八重歯を治療する場合、エラスティックと呼ばれるゴムをマウスピースと併用する必要があります。ゴムはマウスピースを装着しているときずっと行うことが多いです。ゴムかけはご自身で行なっていただきますが、そこまで難しくないため、みなさん慣れれば鏡も見ずにゴムかけ出来ていますので、ご安心下さい。

注意点

八重歯を抜くプランを説明受けている人がいますが、八重歯を抜かない方がいいことが多いです。

一つ後ろの歯に比べると、犬歯(八重歯)の方が根っこの長さがとても長いことが多いです。将来的に犬歯の方が長持ちしやすいですし、笑った時の見え方も犬歯が綺麗に並んでいる方が印象が良く見えます。以上の理由から八重歯が気になっていても、八重歯を抜くのではなく、一つ後ろの歯を抜いた方がいいと考えております。

後は八重歯だから歯を抜かないと並ばないというわけではありません。お顔から分析して、総合的に判断する必要があります。

八重歯のマウスピース矯正については、こちらのページでもご確認いただけます。

八重歯のマウスピース矯正は痛みは?

マウスピース矯正は一般的にワイヤー矯正に比べると痛みは少ないです。ただし、抜歯をおこなった後に1枚目のマウスピースを装着した場合に痛みが強く出ることが多いです。この強い痛みは1枚目が終わって、2枚目、3枚目と進めていくとほとんど無くなります。

結論としては抜歯のマウスピース矯正をおこなった場合、1枚目、2枚目のマウスピースで痛みは強い傾向にありますが、次第に痛みは改善されますので、ワイヤー矯正に比べると痛みは少ないと言えます。

抜歯したら人中が伸びたり、ほうれい線が深くなる?

抜歯矯正を行うと、人中が伸びたり、ほうれい線が深くなるなど、老け顔にならないか心配という方が多くいらっしゃいます。矯正治療で老け顔になったと感じるのは、前歯の位置を引っ込めすぎた場合に起こることがあります。

歯を抜く必要がない、軽度のガタガタなどで抜歯矯正を行なった場合に、老け顔になる場合はありますが、ガタガタの大きい八重歯の抜歯矯正では起こりにくいことが多いです。

次の画像で説明しますが、完全に二重歯列になっているような、ガタガタが大きい八重歯の場合は、抜歯して歯列矯正しても前歯の位置はほとんど変化しません。なので老け顔になったりする事もほとんどありません。

歯が2重に重なったガタガタの歯並びのシミュレーション
抜歯しても前歯の位置がほぼ変わらないことを示す歯列の比較

逆に歯があまり重なっていない八重歯の歯並びを抜歯矯正すると前歯の位置が引っ込みすぎるかもしれません。

自分がどちらか分からないという方は矯正治療を受ける際に、最終的な仕上がりで前歯の位置がどうなるのか確認すると良いでしょう。

当院ではさらに安心して矯正治療を受けて頂くように、治療後の横顔のシュミレーションを行い、治療後の変化を確認してもらってから、治療開始しています。

八重歯のマウスピース矯正の治療期間は?

当院では通常1年半ほどで治療が完了します。抜歯してワイヤー矯正だと3年〜4年かかると診断受けたという方も多いですが、当院のマウスピース矯正での抜歯矯正は治療期間はワイヤーに比べると短い傾向にあります。

理由はガタガタが多い歯並びの場合、ワイヤー矯正のではレベリングと呼ばれる太くて硬いワイヤーを歯に通すためにガタガタを一旦真っ直ぐに並べる必要があります。

マウスピース矯正はオーダーメイドで患者さんの歯並びに合ったマウスピースを作っていくため、ガタガタがある状態でも進んでいきます。そのため治療期間も短くなります。

ワイヤー矯正で八重歯を直線上に並べてから前後に動かす様子
1本ずつ歯を動かすマウスピースとゴムを付けた横の歯並び

八重歯のマウスピース矯正の通院頻度は?

当院では通常5ヶ月に1度の通院で大丈夫です。オーダーメイドで設計したマウスピースをご自宅で1週間ごとにどんどん交換していきます。

八重歯のマウスピース矯正を多く治療していますので、通常5ヶ月に1度のチェックで問題ありません。

また当院ではオンライン診療や専用アプリでのチャット機能を利用して、歯科医師といつ何処でもやりとりできるため、5ヶ月に1度でも安心して治療を受けていただいております。

ワイヤー矯正の場合、1ヶ月に1度新しいワイヤーに交換したり、ワイヤーを曲げたり調整して矯正治療を進めていきますので、1ヶ月に1度の通院が必要となります。

治療後の感想、治療費用

患者さんの感想
八重歯が綺麗に治ったので、人目を気にせず思いっきり笑えるようになりました。
元々ワイヤーでないと難しいと診断を受け、先生にセカンドオピニオンで来院してマウスピースで治療してもらえて本当によかったです。前歯も元々噛んでいなかったですが、今では前歯で噛み切れるようになりました。
リスク
マウスピース矯正はきちんと装着しないと、正しく歯が動かない可能性があります。
費用
マウスピース矯正 77万円(税込)(診断、調整料は全て込み)

【執筆・監修者】

Mouth Peace 矯正歯科 院長 中村竜三(歯学博士)

Mouth Peace 矯正歯科(大阪府松原市) 院長

中村 竜三 Ryuzo Nakamura

  • 歯学博士
  • インビザラインドクター
  • 国際口腔インプラント学会 認定医

広島大学を卒業後、同一の医療法人に約8年間勤務し、副院長を務めました。一般歯科で多くの患者様を診るなかで、天然の歯を長く残すには噛み合わせと歯並びの改善が欠かせないと考えるようになり、歯科スタディグループ SJCD で咬合を学んだのち、矯正治療へ軸足を移しています。

はじめはワイヤー矯正を中心に100症例以上を担当。その後、尾島賢治先生のセミナーをきっかけにマウスピース矯正へ本格的に取り組み、2023年11月にMouth Peace 矯正歯科を開院しました。ワイヤー矯正で培った「どの歯をどう動かせば理想の仕上がりになるか」という知見を、マウスピースの設計にそのまま活かしています。

現在は、他院で「マウスピース矯正では難しい」と診断された方のセカンドオピニオンを中心に、毎月50件以上のご相談をお受けしています。マウスピースの設計はすべて院長が一人ひとりに合わせて行い、矯正だけでは解決しない症例に備えて、インプラント・セラミック・歯周治療・咬合の再構築まで当院内で対応できる体制を整えています。また、全国の歯科医師に向けたセミナー講師や症例検討会での講演も務め、現在も学会・研究会での研鑽を続けています。

略歴

  • 広島大学 卒業
  • 医療法人にて約8年間勤務/副院長を務める
  • プリベンチャル守口駅前歯科 勤務
  • 2023年11月 Mouth Peace 矯正歯科 開院

所属学会・研究会

  • 日本アライナー矯正歯科学会
  • 日本顎咬合学会
  • 国際口腔インプラント学会
  • 即時荷重研究会

講演・受講コース

  • 日本アライナー矯正歯科研究会 症例検討会 講演
  • 即時荷重研究会 症例検討会 講演
  • Ciao 特別講演
  • ドーソンアカデミー(米国式・咬合のコース)受講
  • FIDI インプラントコース 受講

診療で扱う分野

  • マウスピース矯正(インビザライン)
  • ワイヤー矯正
  • 噛み合わせ治療
  • インプラント
  • セラミック治療
  • 歯周治療

本記事は、Mouth Peace 矯正歯科 院長・中村竜三(歯学博士)が執筆・監修しています。内容は診療ガイドラインや学会・研究会での知見、および当院での診療経験をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は自己判断をなさらず、歯科医院にご相談ください。
なお、矯正治療は自由診療(保険適用外)であり、歯の痛みや違和感、歯根吸収、後戻りなどのリスク・副作用を伴う場合があります。