下の前歯が2本少ない先天性欠損をインビザラインで治療した症例
「下の前歯が元々少なく、すきっ歯が気になる」
「他院では上の健康な歯を2本抜くと言われた」
「ワイヤー矯正ではなく、できればマウスピース矯正で治したい」
今回ご紹介するのは、下の大人の前歯が先天的に2本少ないことによるすきっ歯に対して、インビザラインによるマウスピース矯正と、接着ブリッジを組み合わせて治療した30代女性の症例です。
噛み合わせだけを考えると、上の歯を抜歯してバランスを取る方法が検討されることもあります。
しかし、もともとのEラインや正面から見た上の歯の見え方に問題が少ない場合、上の歯を抜歯して口元を下げることで、顔立ちの印象が変わりすぎる可能性があります。
当院では、歯並びだけでなく、横顔や口元の見え方も確認しながら、顔から診断する矯正治療を大切にしています。
CONTENTS
下の前歯のすきっ歯が改善した治療前後の変化
【口腔内正面】
治療前:下の前歯が元々2本少なく、すき間が目立つ状態でした。
治療後:マウスピース矯正でスペースを整え、接着ブリッジで自然な見た目を目指しました。

【スマイル】
治療前:すきっ歯が気になり、笑うときに口元が気になる状態でした。
治療後:すき間が改善し、自然に笑いやすい口元を目指しました。

【横顔】
治療前:Eラインは比較的整っていました。
治療後:上の歯を抜歯せず、口元が下がりすぎないよう配慮しました。

この症例のポイント
1. 下の前歯が元々2本少ない先天性欠損の症例
下顎前歯の先天性欠損では、歯の本数が上下で合わないため、矯正治療の計画が複雑になりやすい傾向があります。
隙間を閉じるだけでよいのか、歯を補うスペースを作るのかを慎重に判断する必要があります。

2. 上の健康な歯を抜かない治療計画
他院では上の歯を2本抜歯する治療を提案されていましたが、今回は顔貌やEラインを考慮し、非抜歯で治療を行いました。
健康な歯を残したいという患者様の希望にも配慮した治療計画です。
3. 顔貌シミュレーションで老け顔リスクに配慮
抜歯矯正では、口元が下がることで横顔の印象が変わることがあります。
今回は、治療前に顔貌シミュレーションを行い、抜歯による口元の変化を確認したうえで治療方針を決定しました。

4. マウスピース矯正と接着ブリッジを組み合わせた治療
インビザラインで歯並びとスペースを整えたあと、接着ブリッジで欠損部を回復しました。
矯正だけで完結させるのではなく、補綴処置と組み合わせることで、見た目と機能のバランスを整えた症例です。

5. 他院でワイヤー矯正や抜歯を提案された方の選択肢
難しい歯並びの場合、ワイヤー矯正や抜歯が必要と判断されることもあります。
ただし、症例によってはマウスピース矯正で対応できる可能性もあります。
大切なのは、装置だけで判断するのではなく、歯並び・噛み合わせ・顔貌・患者様の希望を総合的に診断することです。
症例概要
年齢:30代
性別:女性
主訴:下の前歯が元々2本少ないすきっ歯が気になる。他院で上の健康な歯を2本抜歯すると言われた。ワイヤーではなくマウスピース矯正を希望。
診断:下顎前歯の先天性欠損による空隙歯列
使用装置:インビザライン
抜歯の有無:非抜歯
治療期間:1年
リファインメント回数:2回
補綴処置:接着ブリッジ
治療前の問題点
患者様は、下の前歯が元々2本少ないことによるすきっ歯を気にされていました。
他院では、上下の歯の本数のバランスを取るために、上の健康な歯を2本抜歯する治療を提案されたとのことでした。
しかし患者様には、以下のような不安がありました。
健康な上の歯を抜きたくない
抜歯によって口元が下がり、老けた印象になるのが不安
ワイヤー矯正はできれば避けたい
矯正後に顔の印象が変わりすぎるのが心配
特にこの症例では、治療前のEラインが整っており、正面から見た上の歯の見え方にも大きな問題は認められませんでした。
そのため、単純に歯の本数だけを合わせるために上の歯を抜歯すると、口元が下がりすぎる可能性を考慮する必要がありました。
治療計画
今回の治療では、上の健康な歯を抜歯せず、インビザラインで下の歯並びを整えながら、欠損している下の前歯2本分のスペースを調整しました。
その後、欠損している部分に対して接着ブリッジを行い、歯の見た目と噛み合わせのバランスを整えました。
治療の流れは以下の通りです。
口腔内・顔貌・横顔の診査
顔貌シミュレーションによる口元の変化の確認
インビザラインによる下顎前歯部の配列
欠損部に2本分のスペースを確保
接着ブリッジで歯を回復
保定装置による後戻り予防
この治療を選んだ理由
下の前歯が元々2本少ない場合、噛み合わせだけを考えると、主に2つの選択肢が検討されます。
1つ目は、上の歯を2本抜歯して、上下の歯の本数のバランスを合わせる方法です。
2つ目は、下の欠損部に歯を補い、上の健康な歯を残す方法です。
今回の患者様は、もともとのEラインが整っており、正面から見た上の歯の見え方にも大きな問題がありませんでした。
そのため、上の歯を抜歯して口元を下げる治療は慎重に判断する必要がありました。
事前に顔貌シミュレーションを行ったところ、上の歯を抜歯して治療した場合、口元が下がりすぎる可能性が考えられました。
抜歯矯正によって口元が下がること自体が、必ず悪いわけではありません。もともと口元の突出感が強い方では、口元が下がることで横顔のバランスが整いやすくなる場合もあります。
一方で、今回のようにもともとのEラインが整っている方では、口元が下がりすぎると、口元のボリュームが減って見えたり、顔立ちの印象が変わりすぎたりする可能性があります。
抜歯矯正で口元が下がる仕組みや、下がりすぎを防ぐための考え方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
今回は患者様の「抜歯で老けた印象になりたくない」という不安にも配慮し、非抜歯で、下の欠損部にスペースを作って歯を補う治療計画を選択しました。
矯正治療では、歯並びだけでなく、横顔・口元・笑ったときの見え方を含めて診断することが大切です。
特に、抜歯を伴う治療では、口元の変化に個人差があるため、治療前のシミュレーションや説明が重要になります。
【顔貌シミュレーション】
上の歯を抜歯した場合と非抜歯で治療した場合の口元の変化を比較し、口元が下がりすぎないよう治療計画を検討しました。
※シミュレーションは治療結果を保証するものではありません。
治療経過
まず、インビザラインで下の歯並びを少しずつ整えました。
下の前歯が元々2本少ないため、ただ隙間を閉じるのではなく、接着ブリッジで歯を回復できるように、必要なスペースを計画的に整えました。
治療中は、歯の動きに合わせてリファインメントを2回行い、歯列とスペースの微調整を行いました。
マウスピース矯正後、欠損している下の前歯2本分のスペースに対して接着ブリッジを行い、見た目と噛み合わせのバランスを整えました。
治療結果
治療後は、下の前歯のすきっ歯が改善され、自然に笑いやすい口元を目指すことができました。
また、上の健康な歯を抜歯せずに治療したことで、治療前に整っていたEラインを大きく崩さないよう配慮できました。
患者様からも、顔の印象が変わりすぎなかったことについて安心のお声をいただきました。
接着ブリッジについても、ご家族やお知り合いから「どこに歯が入っているかわからない」と言われたとのことで、見た目の自然さにもご満足いただけました。
※治療結果には個人差があります。すべての方で同様の結果を保証するものではありません。
リスク・副作用
矯正治療には、以下のようなリスクや副作用があります。
歯根吸収が起こる可能性があります。
歯肉退縮が起こる可能性があります。
治療後に後戻りが起こる可能性があります。
歯の動き方によって治療期間が延長することがあります。
マウスピースの装着時間が不足すると、計画通りに歯が動かないことがあります。
接着ブリッジは外れる、欠ける、再治療が必要になる場合があります。
噛み合わせや清掃状態によっては、追加処置が必要になる場合があります。
治療結果や治療期間には個人差があります。
診断の結果によっては、マウスピース矯正ではなくワイヤー矯正、抜歯、補綴処置、外科的処置などが検討される場合もあります。
よくある質問
Q1. 下の前歯が元々少ない場合でも、マウスピース矯正はできますか?
症例によっては可能です。
ただし、歯の本数が少ない場合は、すき間を閉じるのか、歯を補うためのスペースを作るのかを慎重に判断する必要があります。
噛み合わせや顔貌、補綴方法も含めた診断が大切です。
Q2. 他院で上の歯を抜歯すると言われました。抜かずに治療できることはありますか?
抜歯が必要な症例もありますが、必ずしもすべての方で抜歯になるわけではありません。
今回のように、Eラインや口元のバランスを考慮して非抜歯を選択するケースもあります。
精密検査とシミュレーションで確認することが重要です。
Q3. 抜歯矯正をすると老けた印象になりますか?
抜歯矯正で口元が下がることはありますが、すべての方が老けた印象になるわけではありません。
もともとの口元の突出感、Eライン、唇の厚み、歯の位置などによって変化は異なります。
当院では顔貌シミュレーションも参考にしながら治療計画を立てます。
Q4. 接着ブリッジとは何ですか?
接着ブリッジは、欠損している歯の部分を補う治療方法の一つです。
周囲の歯に接着して人工の歯を固定します。
歯を大きく削らずに行える場合がありますが、噛み合わせや歯の状態によって適応は異なります。
Q5. インプラントではなく接着ブリッジを選ぶことはできますか?
症例によっては接着ブリッジが選択肢になることがあります。
ただし、欠損部のスペース、噛み合わせ、骨の状態、清掃性、将来的なメンテナンスなどを考慮して判断します。
インプラント、ブリッジ、義歯などの選択肢を比較することが大切です。
Q6. ワイヤー矯正ではなくインビザラインで治療できますか?
歯の動きの難易度や噛み合わせによって異なります。
今回のようにインビザラインで対応できる症例もありますが、ワイヤー矯正の方が適している場合もあります。
装置の希望だけでなく、治療の安全性や仕上がりを含めて判断します。
Q7. 治療期間はどのくらいですか?
今回の症例では治療期間は1年でした。
ただし、歯の動き方、マウスピースの装着時間、リファインメントの有無、補綴処置の内容によって治療期間は変わります。
Q8. 矯正後に後戻りすることはありますか?
後戻りの可能性はあります。
治療後は保定装置を使用し、歯並びを安定させる期間が必要です。
保定装置の使用状況や噛み合わせ、生活習慣によって後戻りのリスクは変わります。
他院で「抜歯が必要」「ワイヤー矯正が必要」と言われた方へ
下の前歯が元々少ない、すきっ歯がある、抜歯で顔が変わるのが不安。
そのようなお悩みがある方は、歯並びだけでなく、横顔や口元のバランスまで含めた診断が大切です。
MouthPeace矯正歯科では、マウスピース矯正の可否だけでなく、顔貌シミュレーションや抜歯・非抜歯の比較を行いながら、患者様に合った治療方法を検討します。
「健康な歯を抜く前に相談したい」
「抜歯で老けた印象になるのが心配」
「マウスピース矯正で対応できるか知りたい」
そのような方は、一度ご相談ください。
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