噛み合わせで前歯が当たらない開咬(オープンバイト)の原因と直し方|骨格性・歯性の見分け方も解説

噛み合わせで前歯が当たらない開咬(オープンバイト)の原因と直し方|骨格性・歯性の見分け方も解説

『噛み合わせで前歯が当たらないのですが、これって治したほうがいいのでしょうか?』
『奥歯では噛めるのに、前歯だけ当たらなくて…。放っておいても大丈夫ですか?』

前歯が当たらない噛み合わせは、見た目の問題だけでなく「噛み切れない」「発音がしづらい」「奥歯に負担がかかる」といった日常の不便につながりやすい状態です。このような状態は、矯正歯科では「開咬(オープンバイト)」と呼ばれることが多く、歯の位置の問題なのか、骨格のバランスが関係しているのかによって、治療の考え方が変わります。

このページでは、「噛み合わせで前歯が当たらない」状態の原因と放置によるリスク、そして開咬の治し方(マウスピース矯正で改善できるケース/難しいケースなど)を、できるだけ分かりやすく整理します。

大阪府松原市のマウスピース矯正歯科では、マウスピース矯正に特化した診療体制のもと、歯並びだけでなく「歯茎・骨・噛み合わせ・歯の状態」まで多角的に確認し、治療後のイメージも共有しながら治療計画を立てています。歯並びだけでなく、理想のお顔立ちまで加味した矯正治療を行いますので、矯正歯科選びでお困りの方はぜひ一度お問い合わせください。

まずはぜひ当院の矯正治療の症例をご覧ください。当院の技術力が一目でご理解いただけます。

CONTENTS

噛み合わせで前歯が当たらないのは「開咬(オープンバイト)」の可能性

「奥歯では噛めるのに、前歯だけ当たらない」「前歯で噛み切れない」このような状態は、矯正歯科では 開咬(オープンバイト) と呼ばれることが多い噛み合わせのタイプです。

開咬は、単に前歯に隙間があるという話にとどまらず、食事のしづらさや発音の違和感、奥歯への負担の偏りにつながることがあります。

開咬とは(前歯が接触せず、噛み切りにくい状態)

開咬とは、上下の前歯が噛み合わず、奥歯を噛みしめても前歯に隙間が残る噛み合わせを指します。わかりやすく言えば、「前歯の役割がうまく果たせない噛み合わせ」です。

開咬の方が感じやすい困りごとは、たとえば次のようなものです。

  • 麺類や葉物、薄い肉などを前歯で噛み切りにくい
  • 口を閉じているつもりでも、前歯のあたりが落ち着かない
  • 発音のときに息が漏れるような感覚がある(特にさ行・た行など)

ただし、これらはあくまで「よくある傾向」です。噛み合わせは歯並びだけで決まるものではなく、舌の使い方や顎の動き、筋肉のバランスなどが複合して現れます。

まず知っておきたい「骨格性」と「歯性」の違い

開咬の原因には大きく分けて、歯性(しせい)と骨格性(こっかくせい)があります。ここがわかると、「マウスピース矯正で治せるのか」「他の治療が必要なのか」の見通しが立てやすくなります。

  • 歯性の開咬:歯の傾きや位置のバランスが主な原因になっているタイプ
    →歯の動かし方や奥歯の高さの調整によって改善を目指しやすいケースがあります。
  • 骨格性の開咬:上下の顎の成長バランスや骨格の特徴が強く関係しているタイプ
    →矯正だけでなく、顎の骨格へのアプローチを含めて検討する場合もあります。

もちろん、現実には「歯性と骨格性が混ざっている」ことも少なくありません。そのため、レントゲン・CT・口腔内スキャンなどで歯と骨の関係を確認し、さらに噛み合わせの当たり方や顎の動き、舌癖の有無まで含めて評価することで、はじめて治療方針が定まります。

この先では、開咬が起こる原因と放置した場合のリスク、そして具体的な治し方について順に整理していきます。

セルフチェック|前歯が当たらない・噛み切れないサイン

前歯が当たらない噛み合わせは、日常の中で「なんとなく違和感はあるけれど、はっきり言えない」と感じやすいものです。ここでは、「開咬の可能性がありそうか」「一度相談したほうがよさそうか」の判断の助けになる、簡単なセルフチェックを紹介します。

※セルフチェックはあくまで目安です。歯や顎に痛みがある、噛みにくさが強い、急に噛み合わせが変わったように感じる場合は、チェック結果に関わらず歯科へご相談ください。

鏡で確認(奥歯で噛んだとき、前歯に隙間があるか)

最もシンプルなのは、鏡の前で「奥歯を噛みしめた状態」の前歯を確認する方法です。ポイントは、前歯を頑張って閉じようとせず、自然に奥歯でカチッと噛んだときの状態を見ることです。

手順は次の通りです。

  1. 鏡の前で、リラックスして口を軽く閉じます
  2. 奥歯で「いつも通り」に噛みます(強く噛みしめすぎない)
  3. 上下の前歯が触れているか、隙間があるかを確認します

前歯の間に明らかな隙間が見える場合や、前歯が触れる位置が不自然に感じる場合は、開咬の可能性が考えられます。

片側だけ当たらない/日によって違う気がする場合

「前歯が当たらない」といっても、状態は人によってさまざまです。たとえば以下のようなケースもあります。

  • 左右どちらか片側の前歯だけ当たらない
  • 前歯は当たらないが、犬歯は当たっている気がする
  • 日によって噛み合わせが違うように感じる

この場合、歯の位置だけでなく、顎の動きのクセや噛みしめ、舌の使い方、さらには一部の歯の高さの影響など、複数の要因が絡んでいることがあります。セルフチェックで「左右差がある」「毎日感覚が変わる」などがあれば、一度当院の無料カウンセリングにお越しください。当院では初回の無料相談から全て精密検査を行い、院長の中村竜三がしっかり時間を確保して説明させていただいております。

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食事・発音で気づく(噛み切れない、息漏れ感など)

開咬のサインは、鏡でのチェックよりもむしろ日常生活の中で気づくことがあります。たとえば食事では、前歯で噛み切る動作が難しくなりやすく、無意識に奥歯だけで処理する癖がつきやすくなります。

よくある例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 麺類を前歯で噛み切れず、すすって奥歯で噛むことが増えた
  • レタスや海苔など薄いものが、前歯で切れずに残りやすい
  • 口を閉じて食べにくく、食べこぼしが気になる

また、発音では「息が漏れる感じ」「言葉がはっきりしない感じ」を自覚する方もいます。特に、さ行・た行などの発音で違和感が出ることがありますが、これも噛み合わせだけでなく舌の位置や動かし方が関係するため、一概に決めつける必要はありません。

これらのセルフチェックで「思い当たることが多い」と感じた場合は、次で紹介する開咬の原因(習癖・歯の位置・骨格)を読みながら、ご自身の状況を整理してみてください。

原因は大きく3系統|習癖/歯の位置/骨格

前歯が当たらない噛み合わせ(開咬)は、「生まれつきの骨格だから仕方ない」と思われがちですが、実際には原因が骨格によるものとは限りません

むしろ多いのは、習慣(舌癖・口呼吸など)歯の位置のズレが重なって、少しずつ開咬が形づくられていくケースです。

ここでは原因を大きく3つに分けて整理します。自分に当てはまりそうな項目があるかを確認しつつ、「どこを改善すべきか」の見通しを持つことが大切です。

習癖(舌癖・口呼吸など)

開咬の原因としてよく見られるのが、舌や口まわりの使い方のクセです。歯は弱い力でも長時間・毎日かかることで少しずつ位置が変わることがあります。

代表的な習癖には、次のようなものがあります。

  • 舌が前に出る(前歯を押す)クセがある
  • 舌の位置が低く、上あごにつきにくい(低位舌)
  • 口呼吸が多く、口が開きがち
  • 唇を閉じる力が弱く、無意識に口が開いていることが多い

これらのクセがあると、前歯が内側に倒れにくくなったり、上下の前歯が接触する位置が作られにくくなったりして、開咬が固定されていくことがあります。

舌癖が残ると「後戻り」しやすい理由

矯正で前歯が当たる状態まで整えられたとしても、原因となる舌癖が残っていると、治療後に再び前歯が押されて隙間が戻ってしまう可能性があります。

これは矯正の失敗というより、「歯を並べる」ことと「習慣(癖)を変える」ことが別問題であるためです。

そのため、開咬の治療では歯の移動だけで完結させるのではなく、必要に応じて以下を行います。

  • 舌の位置(正しい置き場所)を覚える
  • 飲み込み方や唇の閉じ方を整える
  • 口呼吸を改善する工夫をする

このような、口腔周囲筋のトレーニング(MFTなど)を併用して、噛み合わせが安定しやすい状態を作ることが重要になります。

歯の位置(歯の傾き・上下のアンバランス)

次に多いのが、歯の傾きや位置関係が原因となる「歯性の開咬」です。

たとえば見た目はそこまで悪くなくても、前歯が前に傾いていたり、上下の前歯の位置関係が噛み合いにくい方向にズレていたりすると、奥歯で噛んだときに前歯が当たりません。

特に、次のような状態が重なると開咬が目立ちやすくなります。

  • 上の前歯が前に倒れている(出っ歯傾向)
  • 下の前歯も前に倒れている(上下とも前に出る)
  • 前歯の「噛み合わせの深さ」が作れない

このタイプは骨格そのものよりも歯の位置が主因になりやすいため、矯正治療で改善できる可能性が比較的高いです。その一方で、「前歯だけを動かす」発想だとうまくいかないこともあります。開咬では、後述する通り、奥歯の高さ(当たり方)を整えるのが重要になるケースがあるためです。

骨格(顎の成長バランス)

最後に、顎の骨格的な特徴が強く関係する「骨格性の開咬」です。

これは、歯の位置を整えるだけでは前歯が当たりにくいタイプで、上下の顎の形や成長バランスが噛み合わせに影響している可能性があります。

骨格性かどうかは、見た目だけでは判断が難しく、以下のような検査を通じて判断します。

  • レントゲンやCTで顎の骨格バランスを見る
  • 歯の傾きが「骨格を補う方向」に傾いていないか確認する
  • 噛み合わせの動きや当たり方を評価する

ここで大切なのは、骨格性が疑われた場合でも「必ず手術が必要」という話ではないことです。治療方針は重症度や患者様の希望によって変わりますし、歯の動かし方や補助的な装置の併用で対応できる場合もあります。

まずは原因を切り分けたうえで、「自分に合う直し方」を選ぶことが、遠回りしないためのポイントです。

開咬を放置すると起こりやすい問題

前歯が当たらない噛み合わせは、今すぐ強い痛みが出るような緊急性の高さがあるわけではないため、「このままでも生活できるし…」と様子見になりやすい傾向があります。

ただ、開咬は前歯が使えない分、噛む力のかかり方や口の使い方が偏りやすく、長い目で見ると不便だったり歯列や顎の負担につながることがあります。ここでは、放置した場合に起こりやすい問題を整理します。

前歯で噛み切れず、奥歯に負担が偏りやすい

前歯には、食べ物を噛み切る役割だけでなく、噛む動きをスムーズに導く「ガイド」の役割があります。開咬で前歯が当たらないと、このガイドが働きにくくなり、結果として噛むのが奥歯中心になります。

すると、日常の中で次のような変化が起こりやすくなります。

  • 何でも奥歯でちぎるように噛む癖がつく
  • 左右どちらかに偏って噛みやすくなる
  • 「噛めているのに疲れる」「噛んだあとにだるい」と感じやすい

もちろん、これらが必ず起こるわけではありません。ただ、前歯が機能しない状態が続くと、噛み方が偏りやすいのは確かです。噛み方の偏りは、歯だけでなく顎や筋肉にも影響するため、「最近噛みづらい」「片側ばかり使っている気がする」といったサインがある場合は、早めに相談しておくと安心です。

発音・滑舌の悩みにつながることがある

開咬では、前歯の隙間から息が抜けやすくなり、発音のときに違和感が出ることがあります。特に、さ行・た行など、舌の位置と前歯の関係が影響しやすい音で「息が漏れる感じ」「言いにくい感じ」を自覚する方もいます。

ただし、発音のしづらさは噛み合わせだけで決まるものではなく、舌癖や口呼吸の影響も受けます。言い換えると、発音に違和感がある場合は、開咬だけでなく「原因となる習癖」が背景にある可能性もある、ということです。先にも触れたように、矯正と並行して舌の使い方を整えることが、安定につながるケースもあります。

顎が疲れる、噛みにくいなどの違和感につながることも

前歯が当たらないことで噛み方が偏ると、顎の動きや筋肉の使い方にも偏りが出やすくなります。その結果、以下のような違和感につながることがあります。

  • 口を開け閉めするときに顎が疲れやすい
  • 噛むと顎がだるい、重い感じがする
  • 噛む位置が定まらず、噛みにくさを感じる

噛み合わせ由来の顎の負担が疑われる場合、放置して自然に良くなるとは限りません。噛みづらさや顎の疲れが続く場合は、噛み合わせの状態と原因を一度整理し、必要があれば矯正治療を検討することが、結果的に負担を増やさない近道になります。

開咬の直し方|「前歯を動かす」より「奥歯を整える」

「開咬は前歯が当たらないのだから、前歯を下げれば(上げれば)いいのでは?」と思われるかもしれません。もちろん、前歯を動かす治療が必要なケースもあります。

ただ、開咬(オープンバイト)では、前歯だけを無理に動かしても噛み合わせが安定しないことがあり、治療の考え方としては 前歯を動かすことと同じくらい、奥歯をどう整えるかが重要になる場合があります。

開咬の治療は、「どこをどの方向に動かすと噛み合うのか」を設計することが本質です。ここでは、治療の基本パターンと、マウスピース矯正が開咬で有利になりやすい理由を整理します。

治療の基本は3パターン

開咬の治療は、大きく分けると次の3つのアプローチになります。実際には、これらを単独で行う場合もあれば、状態に合わせて組み合わせる場合もあります。

①:前歯を動かして噛ませる(上下前歯の位置調整)
前歯の傾きや位置を整えて、上下の前歯が接触する関係を作ります。歯性の開咬で、前歯の角度や並びが噛み合わせを邪魔している場合に検討されます。

②:奥歯の高さを下げて、前歯が自然に閉じる状態を作る(奥歯の圧下)
開咬では、奥歯が相対的に高い(当たりが強い)ことで、前歯が噛み合う余地がなくなっているケースがあります。その場合、奥歯側の高さを調整することで、前歯が自然に噛みやすくなることがあります。

※「奥歯を沈める」ことを専門的には“圧下”と呼びます。

③:①と②の組み合わせ
前歯の位置調整だけでも、奥歯の調整だけでも足りない場合は、両方の設計が必要になります。開咬は原因が複数重なることが多いため、この「組み合わせ」の考え方が現実的です。

重要なのは、「前歯が当たらない原因がどこにあるか」正しく診断することです。前歯の並びの問題なのか、奥歯の当たり方なのか、骨格や習癖の影響が強いのかで、取るべき治療方針が変わります。

前歯を動かす治療の注意点

前歯を動かして開咬を改善する場合、噛み合わせだけでなく「見え方」にも配慮が必要になることがあります。

たとえば、前歯を大きく動かす設計では、笑ったときに歯ぐきが見えやすくなる(ガミースマイル)など、口元の印象が変化する可能性があります(変化の出方には個人差があります)。

そのため、開咬の治療では「とにかく前歯を下げる(上げる)」といった単純な発想ではなく、噛み合わせ・歯ぐき・顔貌のバランスまで含めてゴールを決めることが重要です。ここを丁寧に設計できるかどうかが、治療後の満足度にも影響します。

マウスピース矯正が開咬で有利になりやすい理由

開咬の治療では「奥歯の当たり方」を整えることが鍵になるケースがあり、この点でマウスピース矯正が有利になりやすいと考えられています。

マウスピースは歯全体を覆う装置のため、治療設計によっては奥歯に押し込む方向の力を働かせやすく、結果として奥歯の高さが整いやすい(圧下が起こりやすい)です。

つまり、前歯を無理に引っ張って閉じるのではなく、奥歯側を整えることで前歯が自然に近づく状態を作りやすい、ということです。

ただし、これは「マウスピースなら必ず開咬が治る」という意味ではありません。ワイヤー矯正と比べてマウスピース矯正の方が開咬の治療には有利である、というふうにご理解ください。有利と言っても、開咬は噛み合わせ設計の難所になりやすく、必要に応じて補助的な手段を組み合わせることがあります。

ゴムかけ(顎間ゴム)が必要になることが多い

開咬の治療では、上下の歯の位置関係を作るために 、顎間ゴム(いわゆるゴムかけ)を併用するケースが非常に多いです。

ゴムかけは、上下の歯にかけたゴムの力を利用して、噛み合わせを誘導する方法です。開咬では、前歯が当たりにくい状態を、前歯がしっかり噛むように導くために使われることがあります。

ゴムかけは、正しい装着や毎日の継続が結果に影響しやすい要素でもあります。負担に感じる方もいますが、治療の狙いと必要性を理解したうえで取り組むと、納得感を持って続けやすくなります。

重度ではインプラントアンカー併用の可能性も

開咬の程度が強い場合や、奥歯のコントロールが難しい場合には、インプラントアンカー(矯正用の小さなインプラント)を補助として用いることがあります。これは、歯を動かすための固定源として使うもので、奥歯を狙った方向に動かしやすくする目的で検討されることがあります。

もちろん、すべての方に必要なわけではありません。どの補助装置が必要かは、開咬の原因(歯性/骨格性)、奥歯の当たり方、舌癖などの背景を含めて評価したうえで決まります。

次では、こうした治療を成立させるために重要なポイントを、マウスピース矯正の観点から整理します。

マウスピース矯正で前歯の噛み合わせを作る際のポイント

開咬(オープンバイト)は、歯並びを整えるだけでなく「噛み合わせを作る」工程が重要になるため、マウスピース矯正でも治療の組み立て方が結果を左右しやすいテーマです。

言い換えると、開咬は「装置の種類」だけで決まるのではなく、原因の見極め、設計、途中の調整、そして患者様の協力度が揃ってはじめて安定した噛み合わせに近づいていきます。

ここでは、マウスピース矯正で開咬を改善するうえで押さえておきたいポイントを3つに整理します。

ポイント①:ゴール設計と途中の微調整

マウスピース矯正は、治療計画に基づいて歯を少しずつ動かしていく治療です。そのため、開咬のように「噛み合わせの作り込み」が必要なケースでは、最初の設計が特に重要になります。

開咬では、前歯が当たらない原因によって、取るべき戦略が変わります。

  • 前歯の傾きにあるのか
  • 奥歯の当たり方(高さ)にあるのか
  • 骨格要因がどの程度関与しているのか
  • 舌癖・口呼吸などの習慣が関係しているのか

そして、実際の治療では「計画通りに動いているか」「噛み合わせの当たり方が狙い通りか」を途中で確認し、必要に応じて微調整(追加のアライナー、再設計など)を行いながら完成形に近づけます。

開咬はこの「治療の作り込み」が欠かせないため、医師によって治療方針の差が出やすい分野でもあります。だからこそ、初期検査で原因を整理し、ゴールを明確にしたうえで治療を進めることが、患者様の治療後の後悔を減らすポイントになります。

検査で「歯性」「骨格性」と原因(舌癖など)を見極めて設計する

開咬の治療を難しくするのは、「前歯が当たらない」という現象の裏に、複数の原因が隠れていることです。一見して歯の位置の問題に見えても、骨格や習慣が絡んでいることがありますし、逆に骨格要因が疑われても、歯の動かし方を工夫することで改善できることもあります。

そのため、開咬の矯正では、以下のような多角的な評価が治療方針の精度に直結します。

  • レントゲンやCTなどで骨格と歯の位置関係を確認する
  • 口腔内スキャンで歯列の状態を精密に把握する
  • 噛み合わせの当たり方(どこが強く当たっているか)を評価する
  • 舌癖・口呼吸など、原因になり得る習慣も含めて整理する

当院マウスピース矯正歯科でも、歯並びだけでなく「歯茎・骨・噛み合わせ・歯の状態」まで確認し、治療後のイメージも共有しながら治療計画を立てていきます。開咬は特に、こうした設計が結果を左右しやすい領域です。

ポイント②:マウスピースの装着やゴム掛けを徹底する

マウスピース矯正は、装置を装着している時間が治療の前提になります。装着不足が続くと、歯が計画通りに動かず、噛み合わせの作り込みが進みにくくなる可能性があります。

開咬の場合、さらに重要になるのが「補助的な指示を守れるか」です。先に触れた顎間ゴム(ゴムかけ)はその代表で、噛み合わせを作るための大切な手段になることがあります。

ゴムかけは特に、開咬という噛み合わせを成立させるために、ほぼ必須の工程です。治療の意味を理解したうえで取り組めると、「何のためにやるのか」が明確になり、患者様にとっても続けやすくなります。

ポイント③:舌癖・口呼吸へのアプローチ(トレーニング)

開咬は、舌癖や口呼吸などの習慣が関係していることが多く、歯の位置を整えても、原因が残ったままだと安定しにくいことがあります。そのため、必要に応じて舌の位置や使い方を整えるトレーニング(MFTなど)を取り入れ、噛み合わせが後戻りしにくい状態にしていく必要があります。

特に、舌が前に出る癖がある場合、無意識のうちに前歯を押す力が働き、開咬が再発する方向に影響することがあります。矯正中から原因に目を向けておくことが、治療後の安定にもつながります。

自己流の「前歯で噛むトレーニング」は要注意

「前歯で噛めるようにしたいから、前歯で噛む練習をすればいい」と考える方もいますが、自己流のトレーニングは注意が必要です。力任せに噛もうとすると、歯や顎に負担がかかったり、かえって噛み合わせの癖を強めてしまったりする可能性があります。

開咬の改善に必要なのは、「前歯を当てる力」よりも、舌や口まわりの筋バランスを整え、噛み合わせが成立しやすい環境を作ることです。気になる場合は、どのようなトレーニングが適しているか、歯科で指導を受けながら進めるほうが安心です。

開咬に関するよくある質問

ここでは、「前歯が当たらない噛み合わせ(開咬)」について、よくいただく質問をまとめます。

Q.開咬はどれくらいの期間で治る?

結論から言うと、開咬の治療期間は1年〜2年半程度が目安となります。開咬は「歯の位置」だけでなく「舌癖などの原因」や「骨格の関与度」によって、治療の難易度と必要な工程が変わります。

期間が変わりやすい主な要因は次の通りです。

  • 歯性か骨格性か(骨格要因が強いほど難易度が上がりやすい)
  • 開咬の程度(前歯の隙間の大きさ、奥歯の当たり方など)
  • ゴムかけや補助装置が必要か
  • 装着時間など、セルフ協力度が安定しているか
  • 舌癖・口呼吸など原因への同時アプローチができるか

「自分はどれくらいで終わるか」を知りたい場合は、ぜひ当院の無料カウンセリングにお越しください。

Q.開咬はマウスピース矯正だけで治る?

開咬がマウスピース矯正だけで治るかどうかは、開咬のタイプ(歯性か骨格性か)と程度によって判断します。

  • 歯性の開咬が中心の場合:
    マウスピース矯正で改善できるケースがあります。特に開咬は「奥歯の当たり方」を整える発想が鍵になることがあり、その点でマウスピースの設計が有利に働く場面があります。
  • 骨格性の関与が強い場合:
    ワイヤー矯正の併用が必要なケースや、重度では外科的矯正(顎の手術併用)が検討される場合もあります。

また、マウスピース矯正で治療する場合でも、ゴムかけ(顎間ゴム)や補助装置の併用が必要になることがあります。つまり、「マウスピースか、ワイヤーか」という二択ではなく、「必要な噛み合わせを成立させるために何を組み合わせるか」が重要です。

Q.開咬を治したのに後戻りすることはある?

開咬は、治療後に再発・後戻りが起こり得る噛み合わせです。特に注意したいのが、原因となる 舌癖・口呼吸・飲み込み方のクセなどが残っている場合です。歯並びを整えても、舌が前歯を押す環境が変わらなければ、歯はまた押されて開く方向に影響を受けることがあります。

そのため、開咬の治療では以下のような対策をセットで考える必要があります。

  • 保定(リテーナー)で位置を安定させる
  • 舌の位置や口の使い方を整える(必要に応じてMFT等)
  • 途中経過で噛み合わせを作り込み、安定する形で終える

まとめ:前歯が当たらない噛み合わせでお困りの方は当院まで

噛み合わせで前歯が当たらない状態(開咬)は、「前歯が当たっていない」という一点だけで治し方が決まるものではありません。舌癖・口呼吸などの習慣、歯の位置、骨格バランス、奥歯の当たり方。どこに原因があるかによって、必要な設計も治療の進め方も変わります。

だからこそ大切なのは、無理に前歯を当てようとすることではなく、「なぜ前歯が当たらないのか」を検査で整理し、噛み合わせが成立するように設計することです。開咬では、前歯だけを動かすよりも、奥歯の当たり方を整えることで前歯が自然に噛み合いやすくなるケースもあり、治療は「噛み合わせを作る」発想が欠かせません。

当院マウスピース矯正歯科では、マウスピース矯正に特化した体制のもと、歯並びだけでなく噛み合わせ・歯の状態・骨格(必要に応じてCT)まで多角的に確認し、治療後のイメージも共有しながら治療計画を立てています。

「マウスピース矯正で治るのか」「ゴムかけが必要か」「骨格がどの程度関係しているか」など、迷いがある方ほど、まずは現状を正確に把握することが近道です。前歯が当たらない噛み合わせでお悩みの方は、一度当院の無料カウンセリングにお越しください。当院では初回の無料相談から全て精密検査を行い、院長の中村竜三がしっかり時間を確保して説明させていただいております。

>>「えっ、ここまでしてくれるの?」複数のクリニックで相談された患者様が驚いた当院の矯正相談

【執筆・監修者】

Mouth Peace 矯正歯科 院長

中村竜三 (歯学博士)

インビザラインドクター

国際口腔インプラント学会認定医

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