八重歯は非抜歯で治せる?|歯を抜かずにマウスピース矯正した実例

「八重歯は抜歯しないと治らない」と言われ、不安になっていませんか?

実は、すべての八重歯で抜歯が必要なわけではありません。
歯並び・骨格・口元のバランスによっては、非抜歯でマウスピース矯正が可能なケースもあります。

このページでは、他院で「抜歯が必要」「ワイヤー矯正しかできない」と言われた方が、
歯を抜かずにマウスピース矯正で八重歯を改善した実際の症例をご紹介します。

八重歯を抜歯せずマウスピース矯正で治した治療前後の正面の歯並び

非抜歯で行った八重歯のマウスピース矯正【治療概要】

患者さんのお悩み、希望
他では抜歯してワイヤー矯正しか出来ないと言われたが、健康な歯を抜かずに治療したい。
ワイヤー矯正は痛いと聞いているので、マウスピースで治療したい。
治療方法
拡大治療併用で、マウスピース矯正で治療
治療期間
1年8ヶ月

歯を抜かない八重歯のマウスピース矯正 ビフォーアフター

八重歯を歯を抜かずに治療した前後の正面の歯並び
八重歯を抜歯せずに治した男性の治療前後の笑顔の口元

八重歯を非抜歯で治すと出っ歯になる?

抜歯が必要、歯を抜かないで行うと出っ歯になると心配な方もいると思います。通常ガタガタが多い歯並びを歯を抜かない非抜歯で治療すると、前に出てしまいます。

当院ではそうならないように、遠心移動と側方拡大を行い、出っ歯や口ごぼにならないように並べます。

歯を抜かずに無理に並べると前歯と口元が前に出る仕組みの図

実際横顔は変化せず、綺麗に並んでいます。

実際の横顔の変化です。通常これぐらいガタガタな八重歯の歯並びだと抜歯ないでは口元が出て今いますが、馬治療できています。健康な歯を抜かずに治療できてとても喜んでいただきました。

前歯の位置を保って八重歯を治した治療前後の横顔と歯並び

自分の八重歯も非抜歯で治せるか確認したい方へ

歯を並べるために必要なスペースと、拡大・IPR・遠心移動で対応できるかを診断します。

上顎を広げる装置(MSE)を併用して治療

今回はマウスピースだけでなく、MSEと呼ばれる装置を1ヶ月使用したのちに、マウスピース矯正で治療しています。

八重歯の治療前後の上の歯並びを噛む面から比べた写真

上顎を広げると顔が変わる?

SNSなどで上顎を広げる治療や非抜歯で拡大を行うと顔が変わる、鼻が広がる、ゴリラみたいな顔になるなどの記事を見て心配になっている方も多いと思います。

結論から言うと、上顎を拡大する治療で顔がゴリラのように見えることは、適切な治療が行われれば通常ありません。もしそのような見た目になるのは、治療計画の誤りや拡大しすぎた場合であり、適切に診断・治療する経験豊富な歯科医を選ぶことが重要です。 

実際今回の治療前後の写真を載せますが、特に変化なくむしろ綺麗な印象に仕上がっています。

八重歯とガタガタの歯並びを治療した前と後の笑顔の口元

なぜこの症例は非抜歯を選べたか

この症例では、臼歯関係が1級で、奥歯の前後的な位置に問題はありませんでした。また、下顎のアーチに比べて上顎の方が狭く、前歯もやや受け口傾向でした。そのため、上顎を拡大することで歯を並べるスペースを確保できると判断し、非抜歯を選択しました。

八重歯の治療方法を決める診断項目は、八重歯がマウスピース矯正で治せる条件でも詳しく解説しています。

どの方法でスペースを作ったか

主に骨ごと拡大を行い、上顎のアーチを広げてスペースを作りました。加えて、上顎の前歯が下顎の前歯に比べて大きかったため、歯の大きさのバランスを整える目的で少しIPRを加えました。

前歯や口元を悪化させなかった根拠

治療前にシュミレーションを行い、拡大とIPRでスペースを作ることで、前歯がそれほど前に出ないことを確認しました。そのうえで、歯並びだけでなく横顔や口元のバランスも確認しながら治療を進めました。

非抜歯では難しいケース

  • 遠心移動、IPR、拡大を併用しても、歯を並べるためのスペースが足りない場合
  • 患者さんが口元を引っ込めることを希望している場合

このような場合は、非抜歯にこだわると前歯や口元が前に出る可能性があるため、抜歯を含めて治療計画を検討します。

抜歯が必要な場合の口元・横顔への影響は、八重歯の抜歯矯正で顔が変わる人・変わりにくい人をご覧ください。

インビザラインで八重歯を非抜歯治療する場合のQ&A

Q1. インビザラインで八重歯を非抜歯で治せますか?

A. 遠心移動、IPR、拡大などで必要なスペースを確保できれば、インビザラインで八重歯を非抜歯治療できます。この症例では、臼歯関係が1級で奥歯の前後的位置に問題がなく、上顎が下顎より狭かったため、拡大を中心に治療しました。


Q2. 非抜歯で治すと出っ歯になりませんか?

A. 治療前にシュミレーションを行い、拡大とIPRで前歯がそれほど前に出ないことを確認して治療しています。この症例では、治療後も前歯や口元は悪化していません。


Q3. 八重歯を非抜歯で並べるスペースはどう作りますか?

A. この症例では主に骨ごと拡大を行いました。さらに、上顎の前歯が下顎の前歯に比べて大きかったため、少しIPRを加えて歯の大きさのバランスも整えています。


Q4. インビザラインでも非抜歯では難しい八重歯がありますか?

A. 遠心移動、IPR、拡大を併用してもスペースが足りない場合は、非抜歯では難しくなります。また、口元を引っ込めることを希望している場合も、抜歯を含めた治療計画が必要です。


Q5. 他院で抜歯やワイヤー矯正が必要と言われても相談できますか?

A. 相談できます。臼歯関係、上下顎のアーチ幅、前歯の位置、遠心移動・IPR・拡大で確保できるスペースを確認し、インビザラインで非抜歯治療が可能かを診断します。

リスク
マウスピース矯正は矯正用マウスピースを適切に使用しないと、計画どおり歯が動かない可能性があります。
費用
マウスピース矯正72万円(税抜)

今回のような難しい歯並びでも、当院ではマウスピース矯正のみで治療できることがほとんどです。どこで治療しても同じと思われがちなマウスピース矯正ですが、ドクターの技術、経験に大きく左右されます。私自身は過去にワイヤー矯正をメインに矯正治療を行なってまいりましたが、その技術、経験を活かし、ほとんどの歯並びをマウスピース矯正で治療することができるようになりました。他医院でマウスピース矯正ではできないと言われ、諦めかけている人はぜひ一度ご相談ください。

【執筆・監修者】

Mouth Peace 矯正歯科 院長 中村竜三(歯学博士)

Mouth Peace 矯正歯科(大阪府松原市) 院長

中村 竜三 Ryuzo Nakamura

  • 歯学博士
  • インビザラインドクター
  • 国際口腔インプラント学会 認定医

広島大学を卒業後、同一の医療法人に約8年間勤務し、副院長を務めました。一般歯科で多くの患者様を診るなかで、天然の歯を長く残すには噛み合わせと歯並びの改善が欠かせないと考えるようになり、歯科スタディグループ SJCD で咬合を学んだのち、矯正治療へ軸足を移しています。

はじめはワイヤー矯正を中心に100症例以上を担当。その後、尾島賢治先生のセミナーをきっかけにマウスピース矯正へ本格的に取り組み、2023年11月にMouth Peace 矯正歯科を開院しました。ワイヤー矯正で培った「どの歯をどう動かせば理想の仕上がりになるか」という知見を、マウスピースの設計にそのまま活かしています。

現在は、他院で「マウスピース矯正では難しい」と診断された方のセカンドオピニオンを中心に、毎月50件以上のご相談をお受けしています。マウスピースの設計はすべて院長が一人ひとりに合わせて行い、矯正だけでは解決しない症例に備えて、インプラント・セラミック・歯周治療・咬合の再構築まで当院内で対応できる体制を整えています。また、全国の歯科医師に向けたセミナー講師や症例検討会での講演も務め、現在も学会・研究会での研鑽を続けています。

略歴

  • 広島大学 卒業
  • 医療法人にて約8年間勤務/副院長を務める
  • プリベンチャル守口駅前歯科 勤務
  • 2023年11月 Mouth Peace 矯正歯科 開院

所属学会・研究会

  • 日本アライナー矯正歯科学会
  • 日本顎咬合学会
  • 国際口腔インプラント学会
  • 即時荷重研究会

講演・受講コース

  • 日本アライナー矯正歯科研究会 症例検討会 講演
  • 即時荷重研究会 症例検討会 講演
  • Ciao 特別講演
  • ドーソンアカデミー(米国式・咬合のコース)受講
  • FIDI インプラントコース 受講

診療で扱う分野

  • マウスピース矯正(インビザライン)
  • ワイヤー矯正
  • 噛み合わせ治療
  • インプラント
  • セラミック治療
  • 歯周治療

本記事は、Mouth Peace 矯正歯科 院長・中村竜三(歯学博士)が執筆・監修しています。内容は診療ガイドラインや学会・研究会での知見、および当院での診療経験をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は自己判断をなさらず、歯科医院にご相談ください。
なお、矯正治療は自由診療(保険適用外)であり、歯の痛みや違和感、歯根吸収、後戻りなどのリスク・副作用を伴う場合があります。