矮小歯・すきっ歯はどう治す?ラミネートベニア単独とマウスピース矯正併用の症例

矮小歯が原因のすきっ歯には、歯の大きさや形を整えるラミネートベニア単独の治療と、マウスピース矯正で歯の位置や隙間を整えてからラミネートベニアで仕上げる併用治療があります。このページでは、当院で治療した2つの症例をもとに、治療法の選び方、期間、費用、歯を削る可能性を解説します。

患者さんのお悩み、希望
すきっ歯がコンプレックスで笑う時に口元を無意識に手で隠してしまう
治療方法
すきっ歯の原因が歯が小さいことによるものなので、ラミネートベニアで歯の形を綺麗にし、すきっ歯の改善を行いました。
治療期間
1ヶ月

症例1:矮小歯のすきっ歯をラミネートベニア単独で治療

すきっ歯の原因は2番目の歯が小さい(矮小歯)
歯の形を修正して、すきっ歯が改善している
Before
After

症例1の注意点

歯の大きさが正常な場合は、歯列矯正ですきっ歯を改善するのが良いでしょう。

今回は元々歯が小さい(矮小歯)だったので、歯の大きさを大きくする必要がありました。

症例1:ラミネートベニアを長持ちさせるために

ラミネートベニアは薄いセラミックを歯に接着する治療です。適切な診断・設計・接着操作に加え、治療後の噛み合わせの管理や定期的なメンテナンスが長期的な安定につながります。ただし、経年的な摩耗や歯ぎしり、強い噛み合わせなどにより、欠けたり外れたりして再治療が必要になる可能性があります。

症例1:治療後の感想・治療費用

患者さんの感想
長年コンプレックスだった、すきっ歯が改善して、口元を隠さず笑えるようになってよかったです。
リスク
適切な調整を行なわないと、セラミックの一部が欠けることがあります。
費用
ラミネートベニア 13.2万円(税込)/1本

症例2:マウスピース矯正+ラミネートベニアで上下のすきっ歯を治療

30代男性の症例です。上下の前歯のすきっ歯を主訴に来院されました。患者様は歯が小さいことを気にされていましたが、上顎左右の2番目の歯、合計2本が矮小歯であることが、すきっ歯の原因の一つになっているとはご存じありませんでした。

ラミネートベニアだけでなく矯正を併用した理由

マウスピース矯正を行った目的は、下の前歯に複数あったすき間と、上の真ん中にあったすき間を閉じることです。一方、上顎左右2番の矮小歯は、生まれつき歯の幅が小さい状態です。矯正で歯の位置を動かすことはできても、歯そのものの幅や形を大きくすることはできません。そのため、マウスピース矯正で上下のすき間を整えた後、上顎左右2番の2本にラミネートベニアを行い、歯の幅と形を仕上げました。

矯正終了時:すき間は改善しても矮小歯の形は残ります

矯正終了時には、下の前歯と上の真ん中のすき間は改善しています。しかし、上顎左右2番の歯は矮小歯のままであり、周囲の歯と比べて幅が小さく、歯の形と左右のバランスには改善の余地が残っています。

この矯正終了時の状態を見ると、すき間を閉じることと、矮小歯の形を整えることは別の治療であると分かります。この症例では矯正だけで治療を終了すると、ご本人が希望する自然な前歯の大きさと左右の調和を十分に得ることが難しいと判断し、ラミネートベニアを選択しました。

治療概要

  • 年齢・性別:30代・男性
  • 主訴:上下の前歯のすきっ歯、歯が小さいことが気になる
  • 診断:上顎左右2番の矮小歯を伴う空隙歯列
  • 治療方法:部分的なマウスピース矯正+ラミネートベニア2本
  • 抜歯:なし
  • 治療期間:約1年(マウスピース矯正10ヶ月、ラミネートベニア2ヶ月)
  • 治療費:部分的なマウスピース矯正50万円+ラミネートベニア12万円×2本、合計74万円(すべて税抜・治療当時)

治療費は症例当時の金額です。現在の料金や、検査・保定装置などを含む費用については、治療費用ページをご確認ください。

治療後の感想

会う人会う人から「印象が変わった」と言われます。笑うときに口元が気にならなくなりました。セラミックもどこに入っているのか分からない仕上がりで、家族からも「どこに入っているか分からない」と驚かれています。

リスク・副作用

  • マウスピースの装着時間が不足すると、計画どおりに歯が動かない場合があります。
  • 矯正後は後戻りを防ぐために保定装置が必要です。
  • ラミネートベニアは、歯や噛み合わせの状態により歯を削る場合があります。
  • 強い噛み合わせや歯ぎしりなどにより、欠け・脱離・再治療が必要になる可能性があります。
  • 治療期間や仕上がりには個人差があります。

ラミネートベニア単独とマウスピース矯正併用の違い

ラミネートベニア単独を検討するケース

歯並びや噛み合わせに大きな問題がなく、矮小歯の幅や形が主な原因で隙間が生じている場合に検討します。歯を動かさないため比較的短期間ですが、隙間の大きさによっては歯の幅が不自然になる可能性があります。

マウスピース矯正との併用を検討するケース

歯の小ささに加えて、歯の位置、複数の隙間、正中、噛み合わせも整える必要がある場合に検討します。矯正で隙間の位置と量を調整してからラミネートベニアを行うため、治療期間は長くなりますが、歯並びと歯の形の両方を設計できます。

どちらが適しているかは、見えている隙間の大きさだけでは判断できません。すきっ歯の治療法を費用・期間・特徴で比較した解説もあわせてご覧ください。

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すきっ歯の治療はラミネートベニア以外にも、歯列矯正で治したり、ダイレクトボンディングで治したりと、様々な選択肢があります。より詳しくはこちらのコラムをご覧ください。

矮小歯のすきっ歯はラミネートベニアで治せますか?

はい。歯の幅や形を設計して隙間を埋め、見た目を自然に整えることが可能です。適応は噛み合わせや歯の状態によります。

ラミネートベニアは何回通院が必要ですか?

一般的にはカウンセリング後、型取り(またはスキャン)→装着の流れで複数回の通院が必要です。治療内容により回数は変わります。

矯正(マウスピース)とベニア、どちらが良いですか?

歯並びや噛み合わせを動かす必要がある場合は矯正、歯の大きさや形が主因で隙間が生じている場合はベニアが適することがあります。歯の位置と矮小歯の両方が原因の場合は、マウスピース矯正とラミネートベニアを併用することもあります。

ベニアは取れたり欠けたりしますか?

噛み合わせや歯ぎしりの有無、設計によってリスクは変わります。必要に応じてナイトガードなどを併用します。

矮小歯は保険適用になりますか?

治療内容により異なります。審美目的のベニアは自費診療となることが一般的です。

【執筆・監修者】

Mouth Peace 矯正歯科 院長 中村竜三(歯学博士)

Mouth Peace 矯正歯科(大阪府松原市) 院長

中村 竜三 Ryuzo Nakamura

  • 歯学博士
  • インビザラインドクター
  • 国際口腔インプラント学会 認定医

広島大学を卒業後、同一の医療法人に約8年間勤務し、副院長を務めました。一般歯科で多くの患者様を診るなかで、天然の歯を長く残すには噛み合わせと歯並びの改善が欠かせないと考えるようになり、歯科スタディグループ SJCD で咬合を学んだのち、矯正治療へ軸足を移しています。

はじめはワイヤー矯正を中心に100症例以上を担当。その後、尾島賢治先生のセミナーをきっかけにマウスピース矯正へ本格的に取り組み、2023年11月にMouth Peace 矯正歯科を開院しました。ワイヤー矯正で培った「どの歯をどう動かせば理想の仕上がりになるか」という知見を、マウスピースの設計にそのまま活かしています。

現在は、他院で「マウスピース矯正では難しい」と診断された方のセカンドオピニオンを中心に、毎月50件以上のご相談をお受けしています。マウスピースの設計はすべて院長が一人ひとりに合わせて行い、矯正だけでは解決しない症例に備えて、インプラント・セラミック・歯周治療・咬合の再構築まで当院内で対応できる体制を整えています。また、全国の歯科医師に向けたセミナー講師や症例検討会での講演も務め、現在も学会・研究会での研鑽を続けています。

略歴

  • 広島大学 卒業
  • 医療法人にて約8年間勤務/副院長を務める
  • プリベンチャル守口駅前歯科 勤務
  • 2023年11月 Mouth Peace 矯正歯科 開院

所属学会・研究会

  • 日本アライナー矯正歯科学会
  • 日本顎咬合学会
  • 国際口腔インプラント学会
  • 即時荷重研究会

講演・受講コース

  • 日本アライナー矯正歯科研究会 症例検討会 講演
  • 即時荷重研究会 症例検討会 講演
  • Ciao 特別講演
  • ドーソンアカデミー(米国式・咬合のコース)受講
  • FIDI インプラントコース 受講

診療で扱う分野

  • マウスピース矯正(インビザライン)
  • ワイヤー矯正
  • 噛み合わせ治療
  • インプラント
  • セラミック治療
  • 歯周治療

本記事は、Mouth Peace 矯正歯科 院長・中村竜三(歯学博士)が執筆・監修しています。内容は診療ガイドラインや学会・研究会での知見、および当院での診療経験をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は自己判断をなさらず、歯科医院にご相談ください。
なお、矯正治療は自由診療(保険適用外)であり、歯の痛みや違和感、歯根吸収、後戻りなどのリスク・副作用を伴う場合があります。