8本抜歯と言われた方へ|健康な歯を抜かずにマウスピース矯正で改善した非抜歯矯正症例

8本抜歯と言われた方へ|健康な歯を抜かずにマウスピース矯正で改善した非抜歯矯正症例

歯列矯正で「抜歯が必要です」と言われると、不安になる方は少なくありません。

特に、健康な歯まで抜く必要があると言われた場合、

  • 本当に抜歯しないと治らないのか
  • 親知らずだけの抜歯ではだめなのか
  • 歯を抜かずにマウスピース矯正はできないのか
  • 非抜歯にすると出っ歯顔にならないか
  • 金属アレルギーがあるためワイヤー矯正を避けたい

と悩まれる方も多いです。

今回ご紹介するのは、他院で「親知らずを含めて8本抜歯が必要」と診断された患者様の症例です。

親知らずの抜歯は必要でしたが、健康な歯は抜歯せず、マウスピース矯正で治療しました。

治療期間は2年です。

この症例について

  • 主訴:歯並びのガタつき、健康な歯を抜きたくない
  • 他院での診断:親知らずを含め8本の抜歯が必要
  • 当院での治療方針:親知らずは抜歯し、健康な歯は抜歯せずに治療
  • 治療方法:マウスピース矯正
  • 治療期間:約2年
  • 治療のポイント:奥歯を後方へ移動(遠心移動)してスペースを確保し、健康な歯を残したまま歯並びを改善
  • 特記事項:金属アレルギーがあるため、ワイヤー矯正ではなくマウスピース矯正を希望

健康な歯を抜かなければならないと諦めていた方でも、治療計画によっては健康な歯を残したまま改善できる可能性があります。

Before / After

歯を抜かない矯正ビフォーアフター
歯を抜かない矯正ビフォーアフター
非抜歯マウスピース矯正ビフォーアフター
歯を抜かない矯正 顔の変化
非抜歯矯正 口元の変化

治療前は歯並びのガタつきがありましたが、治療後は健康な歯を抜かずに歯列が整いました。

また、非抜歯矯正でよく心配される「口元が出る」「出っ歯顔になる」といった変化も見られず、顔貌のバランスを保ったまま治療できています。

他院では8本抜歯と言われていたケース

患者様は他院で、親知らずを含めて8本抜歯が必要と説明を受けていました。

親知らずはまだしも、健康な歯まで抜歯することに強い抵抗があり、セカンドオピニオンとして当院へ相談されました。

抜歯矯正そのものが悪いわけではありません。

口元が出ているケースや、歯を並べるスペースが大きく不足しているケースでは、抜歯が必要になることもあります。

しかし、すべてのガタガタの歯並びに抜歯が必要なわけではありません。

今回のケースでは、歯並びだけでなく、Eラインや唇の位置、顔貌全体のバランスを確認したうえで、健康な歯を抜かなくても良いと判断しました。

親知らずの抜歯が必要だった理由

今回の症例では、健康な歯は抜歯しませんでしたが、親知らずは抜歯しました。

理由は、奥歯を後ろへ動かす「遠心移動」を行うためです。

マウスピース矯正で歯を抜かずにスペースを作る方法のひとつに、奥歯を少しずつ後方へ移動させる方法があります。

これを遠心移動といいます。

奥歯を後ろへ動かすためには、奥にスペースが必要です。

親知らずがあると、そのスペースを使えないため、親知らずを抜歯して奥行きを確保する必要がありました。

つまり、今回の親知らずの抜歯は「ガタガタが多いから抜いた」のではなく、奥歯を後ろへ動かして歯を並べるスペースを作るために必要な処置でした。

健康な歯を抜歯しなくても良いと判断した理由

今回のケースでは、Eラインで見たときに唇が内側に入っている傾向がありました。

このようなケースで健康な歯を抜歯して前歯を大きく下げすぎると、口元が中に入りすぎて、しゃくれたような印象に見えるリスクがあります。

そのため、歯並びのガタつきだけを見て「抜歯が必要」と判断するのではなく、顔全体のバランスまで確認することが重要です。

当院では、

  • 歯並びのガタつきの量
  • 奥歯を後ろへ動かせるスペース
  • Eライン
  • 唇の位置
  • 横顔のバランス
  • 治療後に口元が下がりすぎないか
  • 非抜歯で前歯が前に出すぎないか

を確認したうえで、健康な歯は抜歯せずに治療できると判断しました。

非抜歯でも出っ歯顔になっていない理由

非抜歯矯正では、「歯を抜かないと前歯が前に出て、出っ歯顔になるのでは?」と心配される方がいます。

たしかに、スペースが足りない状態で無理に歯を並べると、前歯が前に出てしまい、口元が出た印象になることがあります。

しかし今回の症例では、奥歯の遠心移動によってスペースを作り、前歯を無理に前へ押し出さないように計画しました。

そのため、非抜歯でも出っ歯顔にはなっていません。

治療前後の写真を見ても、歯並びは整いながら、口元のバランスは自然に保たれています。

歯を抜かない矯正 口元の変化

抜歯すると口元が下がりすぎるリスクもある

抜歯矯正では、前歯を後ろへ下げることで口元を引っ込めることができます。

口元が出ている方には有効な治療方法です。

一方で、もともと唇が内側に入っている方や、口元を大きく下げる必要がない方に抜歯矯正を行うと、口元が中に入りすぎることがあります。

その結果、横顔が寂しく見えたり、しゃくれたような印象に見えたりするリスクがあります。

今回の症例では、Eライン上で唇が内側に入っている傾向があったため、健康な歯を抜歯して前歯を下げすぎる治療は慎重に考える必要がありました。

金属アレルギーがありワイヤー矯正を避けたい方へ

今回の患者様は、金属アレルギーがあり、ワイヤー矯正はできるだけ避けたいという希望もありました。

マウスピース矯正は、金属の装置を歯につけ続ける治療ではないため、金属アレルギーが心配な方にとって選択肢になりやすい治療です。

ただし、すべての症例がマウスピース矯正だけで治療できるわけではありません。

歯の移動量や噛み合わせ、奥歯の位置、前歯の角度などを精密に診断したうえで、適応を判断する必要があります。

歯を抜かない矯正で大切なこと

歯を抜かない矯正で大切なのは、ただ「抜かない」と決めることではありません。

抜歯しない場合でも、どのようにスペースを作るのかを明確にする必要があります。

主な方法には、

  • 奥歯の遠心移動
  • 歯列の幅の調整
  • 歯と歯の間をわずかに削るIPR
  • 前歯の角度調整
  • 噛み合わせのコントロール

などがあります。

今回の症例では、親知らずを抜歯して奥歯を遠心移動することで、健康な歯を抜かずに歯を並べるスペースを作りました。

よくある質問

非抜歯矯正は誰でもできますか?

誰でもできるわけではありません。

口元が出ているケースや、スペース不足が大きいケースでは、抜歯が必要になることもあります。

歯並びだけでなく、横顔やEライン、噛み合わせまで確認して判断することが重要です。

親知らずだけ抜歯して矯正できますか?

症例によっては可能です。

奥歯を後ろへ動かす遠心移動を行う場合、親知らずを抜歯して奥行きのスペースを確保することがあります。

非抜歯矯正は出っ歯になりますか?

無理に歯を並べると、前歯が前に出てしまうことがあります。

ただし、遠心移動や歯列のコントロールを適切に行えば、非抜歯でも出っ歯顔にならずに治療できるケースがあります。

8本抜歯と言われた場合、必ず抜かないといけませんか?

必ずしもそうとは限りません。

親知らずの抜歯が必要なケースはありますが、健康な歯まで抜歯する必要があるかは、歯並び・口元・Eライン・噛み合わせを総合的に診断して判断します。

金属アレルギーでも矯正できますか?

マウスピース矯正が適応できる場合は、金属アレルギーが心配な方でも治療の選択肢になります。

ただし、症例によっては補助装置が必要になることもあるため、事前の確認が必要です。

まとめ

今回の症例は、他院で親知らずを含め8本抜歯が必要と言われた方を、健康な歯を抜かずにマウスピース矯正で治療したケースです。

親知らずは、奥歯を遠心移動してスペースを作るために抜歯しました。

一方で、Eラインや唇の位置、顔全体のバランスを確認した結果、健康な歯を抜歯する必要はないと判断しました。

歯並びのガタつきだけを見て抜歯・非抜歯を決めるのではなく、顔貌まで含めた診断が大切です。

健康な歯を抜きたくない方、ワイヤー矯正を避けたい方、他院で多数の抜歯が必要と言われた方は、一度ご相談ください。

関連する記事

歯を抜かない矯正治療(インビザライン)

非抜歯矯正で出っ歯になる?非抜歯のメリット・デメリット、よくある失敗について

歯列矯正に抜歯は必要?メリット・デメリット、抜歯しなくて良いケースについて

歯列矯正で抜歯して後悔するケース|やらなきゃよかったとならないための選び方

非抜歯矯正のビフォーアフター|抜歯・ワイヤーと言われた方がマウスピース矯正で改善した症例