50代の歯列矯正で八重歯を改善|神経を抜いた悪い歯だけ抜歯したマウスピース矯正症例

50代で八重歯の歯列矯正を考えるとき、多くの方が不安に感じるのが「抜歯が必要なのか」「健康な歯まで抜かないといけないのか」という点です。

今回ご紹介するのは、長年八重歯に悩まれていた50代女性のマウスピース矯正症例です。

他院では「2本抜歯が必要」と説明を受け、健康な歯を抜歯することに抵抗があり、治療を迷われていました。

当院では精密検査のうえ、右上4番目の神経を抜いている状態の悪い歯のみを抜歯し、できるだけ健康な歯を残す方針でマウスピース矯正を行いました。

治療期間は2年、通院頻度は約5か月に1度です。

※矯正治療の適応や抜歯の必要性は、歯並び・噛み合わせ・歯根・歯周組織・虫歯や被せ物の状態によって異なります。

この症例について

  • 患者:50代女性
  • 主訴:長年の八重歯、噛みにくさ、見た目の改善
  • 治療方法:マウスピース矯正
  • 抜歯:右上4番の神経を抜いていた状態の悪い歯のみ抜歯
  • 治療期間:約2年
  • 通院頻度:約5か月に1回

他院では2本抜歯と診断されましたが、当院では健康な歯をできるだけ残す治療計画を立て、神経を抜いていた右上4番のみを抜歯して治療を行いました。

Before / After

50代 歯列矯正 抜歯
50代 歯列矯正 抜歯 
50代 歯列矯正 抜歯 お顔の変化
50代 歯列矯正 抜歯 お顔の変化

治療前

治療前は八重歯が目立ち、歯列のガタつきがありました。

また、右上4番目の歯は過去に神経を抜いている歯で、歯の状態が良くありませんでした。

古い銀歯にも虫歯が見られたため、矯正治療だけでなく、虫歯治療も含めて長く使える口腔内環境を整える必要がありました。

治療後

マウスピース矯正により、八重歯と歯列のガタつきが改善しました。

右上4番目の状態の悪い歯だけを抜歯することで、健康な歯をできるだけ残しながら歯を並べるスペースを確保しています。

治療後は見た目だけでなく、噛みしめの強さや顎関節の痛みの改善も実感されています。

他院では2本抜歯と言われていたケース

今回の患者様は、他院で「2本抜歯が必要」と説明を受けていました。

しかし、健康な歯を抜歯することに抵抗があり、治療に踏み切れずにいたそうです。

抜歯矯正そのものが悪いわけではありません。歯並びや口元、噛み合わせをきれいに整えるために抜歯が必要なケースもあります。

ただし、50代以降の歯列矯正では、見た目だけでなく、歯の寿命や歯周組織、過去に神経を抜いた歯、被せ物や銀歯の状態まで含めて治療計画を立てることが重要です。

神経を抜いた歯がある場合の矯正治療

神経を抜いた歯がある場合でも、矯正治療ができることはあります。

ただし、神経を抜いた歯は、健康な歯と比べて将来的な破折や再治療のリスクが高くなることがあります。

そのため当院では、

  • その歯を残して矯正するべきか
  • 抜歯してスペースとして活用するべきか
  • 被せ物や虫歯治療をどのタイミングで行うべきか
  • 噛み合わせに無理が出ないか

を総合的に判断します。

今回の症例では、右上4番目の神経を抜いている歯の状態が良くなかったため、その歯のみを抜歯しました。

健康な歯をむやみに抜くのではなく、状態の悪い歯を抜歯して矯正に必要なスペースを確保したことが、この症例の大きなポイントです。

50代 歯列矯正 抜歯 

虫歯になっていた古い銀歯も治療

50代 歯列矯正 セラミック治療を併用

50代以降の矯正治療では、歯並びだけを見て治療を進めるのでは不十分です。

古い銀歯の下に虫歯がある場合や、過去の治療跡が多い場合は、矯正治療中・治療後のトラブルを避けるために、虫歯治療や被せ物のやり替えも含めて計画する必要があります。

今回の患者様も、虫歯になっている古い銀歯があったため、矯正治療とあわせて必要な治療を行いました。

通院頻度は5か月に1度

当院のマウスピース矯正では、症例によっては通院頻度を少なくしながら治療を進めることができます。

今回の患者様は、自宅から医院までの距離が近くなかったため、来院回数の少なさも治療を始めるうえで大切なポイントでした。

通院頻度は約5か月に1度です。

仕事や家庭の都合で頻繁な通院が難しい方でも、事前の診断と治療計画を丁寧に行うことで、無理なく治療を進められる場合があります。

患者様の口コミ

50代 歯列矯正 抜歯 口コミ

50代で八重歯を矯正するメリット

50代で八重歯を矯正する目的は、見た目の改善だけではありません。

歯並びが整うことで、清掃性が改善し、虫歯や歯周病のリスク管理がしやすくなることがあります。

また、噛み合わせのバランスが整うことで、噛みしめや顎関節への負担が軽減するケースもあります。

今回の患者様も、歯並びの改善だけでなく、強く噛みしめることが減り、顎関節の痛みがなくなったことを実感されています。

50代の歯列矯正で大切なこと

50代の歯列矯正では、ただ歯を並べるだけではなく、次のような点を確認することが大切です。

  • 歯周病の有無
  • 歯茎や骨の状態
  • 神経を抜いた歯の状態
  • 古い銀歯や被せ物の状態
  • 虫歯の有無
  • 抜歯する場合、どの歯を抜くのが最も合理的か
  • 治療後に噛み合わせが安定するか

特に「健康な歯を抜くことに抵抗がある」という方は、抜歯の本数だけで判断するのではなく、どの歯を残すべきか、どの歯を抜くべきかを精密に診断することが重要です。

よくある質問

50代でも八重歯の矯正はできますか?

歯周病や歯の状態に問題がなければ、50代でも八重歯の矯正ができることが多いです。

当院では50代で矯正開始される方はとても多いです。

ただし、若い方と比べて歯周組織や過去の治療歴に注意が必要です。事前の精密検査が大切です。

神経を抜いた歯があっても矯正できますか?

神経を抜いた歯があっても矯正できることはあります。

ただし、その歯の状態によっては、残すよりも抜歯して矯正スペースとして活用した方が良いケースもあります。

50代の歯列矯正で抜歯は必要ですか?

必ず抜歯が必要というわけではありません。

歯並びの重なり、口元、噛み合わせ、歯の状態によって判断します。今回の症例では、健康な歯ではなく、右上4番目の神経を抜いている状態の悪い歯のみを抜歯しました。

抜かないで治療した八重歯の症例はこちら

マウスピース矯正でも八重歯は治せますか?

八重歯の歯並びはほとんどの場合でマウスピース矯正で治療が可能です。

通院頻度はどれくらいですか?

今回の症例では、約5か月に1度の通院で治療を進めました。

通院頻度は症例や治療計画によって異なります。

まとめ

今回の症例は、50代女性の八重歯をマウスピース矯正で改善したケースです。

他院では2本抜歯と言われていましたが、当院では右上4番目の神経を抜いている状態の悪い歯のみを抜歯し、できるだけ健康な歯を残す方針で治療しました。

50代の歯列矯正では、歯並びだけでなく、神経を抜いた歯・古い銀歯・虫歯・歯周組織・噛み合わせまで含めて計画することが大切です。

健康な歯を抜くことに抵抗がある方、過去に神経を抜いた歯があり矯正できるか不安な方、50代から八重歯を治したい方は、一度ご相談ください。

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【執筆・監修者】

Mouth Peace 矯正歯科 院長 中村竜三(歯学博士)

Mouth Peace 矯正歯科(大阪府松原市) 院長

中村 竜三 Ryuzo Nakamura

  • 歯学博士
  • インビザラインドクター
  • 国際口腔インプラント学会 認定医

広島大学を卒業後、同一の医療法人に約8年間勤務し、副院長を務めました。一般歯科で多くの患者様を診るなかで、天然の歯を長く残すには噛み合わせと歯並びの改善が欠かせないと考えるようになり、歯科スタディグループ SJCD で咬合を学んだのち、矯正治療へ軸足を移しています。

はじめはワイヤー矯正を中心に100症例以上を担当。その後、尾島賢治先生のセミナーをきっかけにマウスピース矯正へ本格的に取り組み、2023年11月にMouth Peace 矯正歯科を開院しました。ワイヤー矯正で培った「どの歯をどう動かせば理想の仕上がりになるか」という知見を、マウスピースの設計にそのまま活かしています。

現在は、他院で「マウスピース矯正では難しい」と診断された方のセカンドオピニオンを中心に、毎月50件以上のご相談をお受けしています。マウスピースの設計はすべて院長が一人ひとりに合わせて行い、矯正だけでは解決しない症例に備えて、インプラント・セラミック・歯周治療・咬合の再構築まで当院内で対応できる体制を整えています。また、全国の歯科医師に向けたセミナー講師や症例検討会での講演も務め、現在も学会・研究会での研鑽を続けています。

略歴

  • 広島大学 卒業
  • 医療法人にて約8年間勤務/副院長を務める
  • プリベンチャル守口駅前歯科 勤務
  • 2023年11月 Mouth Peace 矯正歯科 開院

所属学会・研究会

  • 日本アライナー矯正歯科学会
  • 日本顎咬合学会
  • 国際口腔インプラント学会
  • 即時荷重研究会

講演・受講コース

  • 日本アライナー矯正歯科研究会 症例検討会 講演
  • 即時荷重研究会 症例検討会 講演
  • Ciao 特別講演
  • ドーソンアカデミー(米国式・咬合のコース)受講
  • FIDI インプラントコース 受講

診療で扱う分野

  • マウスピース矯正(インビザライン)
  • ワイヤー矯正
  • 噛み合わせ治療
  • インプラント
  • セラミック治療
  • 歯周治療

本記事は、Mouth Peace 矯正歯科 院長・中村竜三(歯学博士)が執筆・監修しています。内容は診療ガイドラインや学会・研究会での知見、および当院での診療経験をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は自己判断をなさらず、歯科医院にご相談ください。
なお、矯正治療は自由診療(保険適用外)であり、歯の痛みや違和感、歯根吸収、後戻りなどのリスク・副作用を伴う場合があります。