ガタガタの歯並びはマウスピース矯正で治る?抜歯・非抜歯の症例を紹介

「ガタガタの歯でもマウスピース矯正で治る?」「できれば抜歯したくない」「歯を抜くと顔が変わったり、老けて見えたりしない?」。歯並びを治したいと思っても、治療方法や抜歯への不安から迷っている方は少なくありません。

40代・50代では、「以前より歯並びがガタガタになってきた」「重なった歯が磨きにくく、この先も自分の歯を残せるか心配」という思いも、矯正を考えるきっかけになります。

ガタガタの歯並びは、マウスピース矯正で治療できる場合があります。抜歯が必要かどうかは、歯の重なりだけでなく、歯を並べるスペース、口元、噛み合わせ、歯を支える骨・歯ぐきの状態で判断します。ここでは当院の3つの症例を紹介し、抜歯・非抜歯の考え方と、将来のお口の健康を見据えた治療について解説します。

ガタガタの歯並びはマウスピース矯正で治せる?

歯が重なったり、ねじれたりしている歯並びを「叢生(そうせい)」といい、八重歯もその一つです。マウスピース矯正では、歯を動かす順番や方向を計画し、段階的に歯並びと噛み合わせを整えます。

当院ではガタガタの歯並びの治療は抜歯、非抜歯関係なく、ほとんどのケースでマウスピースで治療しています。

他でワイヤー矯正でしか難しいと言われた方も、一度ご相談ください。

症例1|40代女性・将来も自分の歯で過ごしたいと希望された抜歯症例

長年ガタガタの歯並びに悩み、年齢を理由に治療を諦めかけていた患者様です。同年代の治療例をご覧になり、「この歯並びのままだと将来が心配。自分の歯で長く過ごしたい」と相談されました。

治療方法:抜歯を伴うマウスピース矯正
治療期間:1年6か月
掲載時の治療費:80万円(税抜)/88万円(税込)
主なリスク:装着時間の不足による治療の遅れ、歯肉退縮、歯根吸収、後戻りなど。

がたがた歯並び マウスピース矯正
がたがた歯並び 歯列矯正
マウスピース矯正 ガタガタの歯
歯がガタガタ 大人 矯正
ガタガタの歯並びを抜歯矯正で整え歯茎の高さもそろえた前後の正面

この症例で抜歯を選んだ理由

歯の重なりが大きく、抜かずに並べようとすると前歯が前に出たり、歯ぐきが下がったりするリスクを考慮する必要がありました。歯を並べるスペースを確保するため、抜歯を伴う方針で治療しました。

「歯を残したい」という希望があっても、すべての歯を無理に並べることが適切とは限りません。抜歯の必要性と、非抜歯にした場合の見通しを比較し、歯を支える組織や噛み合わせも含めて検討します。

症例2|親知らずを除く歯を抜かずに、ガタガタを改善した症例

他院で親知らずを含めて8本の抜歯が必要と説明され、健康な歯を抜きたくないと相談された患者様です。親知らずは抜歯しましたが、それ以外の歯は抜かずにマウスピース矯正で治療しました。治療期間は約2年です。

親知らずを除く非抜歯マウスピース矯正の治療前後
親知らずを除く非抜歯マウスピース矯正の治療前後

なぜ非抜歯で治療できたのか

この症例では、親知らずを抜歯し、奥歯を後ろへ動かす「遠心移動」でスペースを確保しました。もともとの唇の位置や横顔を確認し、口元を下げすぎず、前歯を無理に前へ押し出さない方針で治療しています。

同じようにガタガタがあっても、奥歯を動かせる範囲や口元の状態によって、必要な治療は異なります。本ページの「非抜歯症例」は、親知らず以外の歯を抜いていないケースです。

主なリスク:矯正治療には、痛み・違和感、虫歯・歯周病、歯肉退縮、歯根吸収、ブラックトライアングル、後戻りなどのリスクがあります。装着時間が不足すると計画どおりに歯が動かず、追加のマウスピースや治療期間の延長が必要になる場合があります。

治療費は検査結果と治療内容に応じて個別にご案内します。現在の料金案内をご確認ください。
親知らずを除く非抜歯症例の詳細・口元の写真を見る

症例3|上下4本を抜歯し、マウスピース矯正で治療した症例

歯の重なりが気になり、人前で笑うときに口元を隠していた患者様です。口内炎ができやすく、マウスピースでの治療を希望されていました。上下4本の抜歯でスペースを確保し、1年10か月で治療しました。

上下4本抜歯のマウスピース矯正・治療前
上下4本抜歯のマウスピース矯正・治療前
上下4本抜歯のマウスピース矯正・治療後
上下4本抜歯のマウスピース矯正・治療後

この症例では、歯並びに加え、口元の突出感の改善も図りました。抜歯で得たスペースをどう使い、前歯や歯根をどこへ動かすかまで計画することが大切です。

掲載症例ページの費用表記:80万円。税込・税別や費用に含まれる項目は、ご相談時にご確認ください。
主なリスク:装着時間の不足による治療の遅れ、歯肉退縮、歯根吸収、後戻りなど。
上下4本抜歯の症例の詳細・口元の変化を見る

掲載写真はそれぞれの患者様の治療経過です。同じような歯並びでも治療方法・期間・結果には個人差があり、同じ結果を保証するものではありません。

ガタガタの歯並びで、非抜歯にできるケース・抜歯を検討するケース

非抜歯を検討できるケース

奥歯の後方移動、歯列の幅や前歯の傾きの調整、歯の側面を少量削るIPRなどで、必要なスペースを確保できる場合です。ただし、歯を動かせる範囲には限界があります。前歯が出すぎないか、歯を支える骨や歯ぐきに無理がないか、噛み合わせを整えられるかを確認します。

抜歯を検討するケース

歯を並べるスペースが大きく不足している場合や、口元の突出も改善したい場合などです。歯の重なりが大きいという理由だけで決めるのではなく、非抜歯で並べた場合の前歯の位置や歯周組織への影響も比較します。

「できれば抜きたくない」という希望は、診断前にお伝えください。非抜歯が可能かを検討し、難しい場合はその理由と抜歯した場合の見通しをご説明します。
非抜歯でスペースを作る方法と注意点を詳しく見る

抜歯したら顔が変わる?口元が下がりすぎたり、老けて見えたりしない?

顔・口元への影響は、抜歯の有無だけでは決まりません。治療前の唇や前歯の位置、前歯を動かす量・方向、横顔のバランスなどによって異なります。

抜歯でできたスペースを、主に重なった歯を並べるために使う場合と、前歯を後ろへ動かすためにも使う場合とでは、口元への影響が異なります。ガタガタが大きいから顔は変わらない、と一律には言えません。

口元を下げたい方には前歯の後方移動が治療目標になることがあります。一方、もともと口元が引っ込んでいる方は、下げすぎない計画が必要です。非抜歯の場合も、スペース不足のまま無理に並べると口元が前に出ることがあるため、両方の方針で仕上がりを検討します。

相談時には「今の口元の印象を保ちたい」「突出感を改善したい」など、希望を具体的にお伝えください。シミュレーションは説明の参考になりますが、実際の歯や唇の変化を完全に再現・保証するものではありません。

抜歯による顔・口元の変化をさらに詳しく知りたい方は、八重歯を抜歯矯正すると顔が変わる?歯を抜かない方がいいケースも解説をご覧ください。

40代・50代でだんだん歯並びがガタガタに。今後が心配な方へ

以前との変化があるときは、歯ぐきや骨の状態も確認します

大人になってからも歯並びや噛み合わせは変化することがあります。歯周病による歯を支える組織の変化、歯を失った部分、噛み合わせなどが関係している場合もあり、「年齢のせい」と決めつけず原因を確認することが大切です。

特に、歯ぐきからの出血、歯の揺れ、噛み合わせの変化がある場合は、矯正の前に歯周病などの検査を行います。歯周病がある場合には、その治療・管理を踏まえて歯を動かせるか判断します。

磨きやすい歯並びを目指し、自分の歯を長く使うために

歯が重なっている部分は、歯ブラシや歯間清掃用具が届きにくいと感じることがあります。見た目だけでなく、日々のケアのしやすさを考えて歯並びを整えることも、矯正治療の目的の一つです。

ただし、矯正だけで虫歯や歯周病を防げる、将来必ず歯を残せるというわけではありません。治療前・治療中の歯周病管理、毎日の清掃、治療後の保定装置の使用と定期的なメンテナンスを組み合わせて、お口の健康を保ちます。

年齢だけで矯正の可否は決まりません。40代・50代でも、歯・骨・歯ぐきの状態を確認したうえで治療を検討できます。
40代の矯正治療について/50代の矯正治療について

銀歯・被せ物がある場合はどうする?

古い銀歯をやりかえて歯並びと噛み合わせを整えた前後(下の歯)
銀歯を外すと下に虫歯が見つかった奥歯の写真

銀歯や被せ物がある場合は、虫歯、適合状態、噛み合わせを確認します。矯正で歯の位置が変わった後に、被せ物の形や噛み合わせの調整・再治療が必要になることがありますが、古いという理由だけですべて作り替えるわけではありません。

再治療が必要な歯と、経過を見られる歯を分け、時期や費用も含めてご説明します。残っている歯をどのように使っていくか、矯正以外の治療も含めて考えます。

ガタガタの歯のマウスピース矯正でよくある質問

下の前歯だけガタガタでも治療できますか?

部分矯正を検討できる場合があります。ただし、下の前歯だけを並べると上下の噛み合わせに影響することもあるため、奥歯や上の歯も確認します。全体矯正が必要になる場合もあります。

治療期間はどのくらいですか?

本ページの症例は1年6か月、約2年、1年10か月です。歯の重なり、必要な移動量、噛み合わせ、装着状況によって異なります。歯を動かす治療が終わった後にも、後戻りを防ぐ保定と経過観察が必要です。

ブラックトライアングルはできますか?

矯正後の下の前歯の黒い隙間と治療後の比較

重なっていた歯が並ぶと、歯と歯の間の歯ぐきに近い部分に隙間が目立つことがあります。歯の形や歯ぐき・骨の状態も関係します。起こる可能性と、必要に応じた対応方法を治療前に説明します。
ブラックトライアングルの原因と対応について

ワイヤー矯正の方が早く治りますか?

どちらが早いかは、歯の動かし方や治療計画によって異なります。マウスピース矯正には装着時間を守る必要があり、ワイヤー矯正にも適した歯の動きがあります。治療期間だけでなく、仕上がりや生活との相性も含めてご提案します。

矯正治療の費用・リスクについて

矯正治療は自由診療です。掲載した費用・期間は各症例の情報で、現在のすべての患者様に同じ条件が適用されるわけではありません。検査、矯正、抜歯、保定、被せ物など、必要な治療と費用に含まれる項目は治療前に確認します。
現在の治療費用を見る

矯正治療には、痛み・違和感、虫歯・歯周病、歯肉退縮、歯根吸収、ブラックトライアングル、後戻りなどのリスクがあります。装着時間が不足すると計画どおりに歯が動かず、追加のマウスピースや治療期間の延長が必要になる場合があります。

自分の歯並びでマウスピース矯正・非抜歯が可能か相談したい方へ

「歯を抜かずに治せるか」「抜歯すると口元はどう変わるか」「今より磨きやすくしたい」など、気になることをお聞かせください。当院では、現在のお口の状態と希望を確認し、必要な検査を踏まえて治療方針をご説明します。

ガタガタの歯並び・抜歯について無料相談を申し込む

【執筆・監修者】

Mouth Peace 矯正歯科 院長 中村竜三(歯学博士)

Mouth Peace 矯正歯科(大阪府松原市) 院長

中村 竜三 Ryuzo Nakamura

  • 歯学博士
  • インビザラインドクター
  • 国際口腔インプラント学会 認定医

広島大学を卒業後、同一の医療法人に約8年間勤務し、副院長を務めました。一般歯科で多くの患者様を診るなかで、天然の歯を長く残すには噛み合わせと歯並びの改善が欠かせないと考えるようになり、歯科スタディグループ SJCD で咬合を学んだのち、矯正治療へ軸足を移しています。

はじめはワイヤー矯正を中心に100症例以上を担当。その後、尾島賢治先生のセミナーをきっかけにマウスピース矯正へ本格的に取り組み、2023年11月にMouth Peace 矯正歯科を開院しました。ワイヤー矯正で培った「どの歯をどう動かせば理想の仕上がりになるか」という知見を、マウスピースの設計にそのまま活かしています。

現在は、他院で「マウスピース矯正では難しい」と診断された方のセカンドオピニオンを中心に、毎月50件以上のご相談をお受けしています。マウスピースの設計はすべて院長が一人ひとりに合わせて行い、矯正だけでは解決しない症例に備えて、インプラント・セラミック・歯周治療・咬合の再構築まで当院内で対応できる体制を整えています。また、全国の歯科医師に向けたセミナー講師や症例検討会での講演も務め、現在も学会・研究会での研鑽を続けています。

略歴

  • 広島大学 卒業
  • 医療法人にて約8年間勤務/副院長を務める
  • プリベンチャル守口駅前歯科 勤務
  • 2023年11月 Mouth Peace 矯正歯科 開院

所属学会・研究会

  • 日本アライナー矯正歯科学会
  • 日本顎咬合学会
  • 国際口腔インプラント学会
  • 即時荷重研究会

講演・受講コース

  • 日本アライナー矯正歯科研究会 症例検討会 講演
  • 即時荷重研究会 症例検討会 講演
  • Ciao 特別講演
  • ドーソンアカデミー(米国式・咬合のコース)受講
  • FIDI インプラントコース 受講

診療で扱う分野

  • マウスピース矯正(インビザライン)
  • ワイヤー矯正
  • 噛み合わせ治療
  • インプラント
  • セラミック治療
  • 歯周治療

本記事は、Mouth Peace 矯正歯科 院長・中村竜三(歯学博士)が執筆・監修しています。内容は診療ガイドラインや学会・研究会での知見、および当院での診療経験をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は自己判断をなさらず、歯科医院にご相談ください。
なお、矯正治療は自由診療(保険適用外)であり、歯の痛みや違和感、歯根吸収、後戻りなどのリスク・副作用を伴う場合があります。