矮小歯のすきっ歯をマウスピース矯正+ラミネートベニアで治療した症例

前歯のすきっ歯は、歯を動かすマウスピース矯正だけで治せるケースと、歯の大きさや形を整えるラミネートベニアが必要なケースがあります。この症例では、前から2番目の歯が生まれつき小さい矮小歯で、歯並びと噛み合わせにも問題があったため、マウスピース矯正とラミネートベニアを組み合わせて治療しました。

矮小歯のすきっ歯を矯正+ラミネートベニアで治療した症例

  • 主訴:前歯のすきっ歯が気になり、人前で思い切り笑えない
  • 診断:上顎2番の矮小歯を伴う空隙歯列。前歯の噛み合わせにも改善が必要
  • 治療方法:マウスピース矯正(インビザライン)+ラミネートベニア2本
  • 治療期間:10ヶ月
  • 治療当時の費用:55万円(インビザラインライト35万円+ラミネートベニア10万円×2本)

上記は治療当時の費用です。現在の料金や検査・保定装置などを含む費用については、治療費用ページをご確認ください。

すきっ歯の原因は上顎2番の矮小歯と歯の位置でした

この患者様は、上顎の前から2番目の歯が矮小歯で、周囲の歯よりも幅が小さい状態でした。歯の大きさが小さいと、歯列の中に余分なスペースが生じ、すきっ歯の原因になります。

さらに、前歯の位置と噛み合わせにも問題がありました。見えている隙間だけをラミネートベニアで埋めても、歯並びと噛み合わせは変わりません。そのため、最初にマウスピース矯正で歯の位置と噛み合わせを整える方針としました。

矯正だけでは矮小歯の幅と形は変えられません

マウスピース矯正では歯を移動できますが、矮小歯そのものを大きくしたり、歯の形を変えたりすることはできません。すべての隙間を矯正だけで閉じると、前歯の位置や左右の歯の幅のバランスが希望する仕上がりにならない場合があります。

この症例では、矯正で歯の位置・噛み合わせ・ラミネートベニアに必要なスペースを整え、その後、上顎2番の矮小歯2本にラミネートベニアを接着しました。歯を動かす治療と歯の形を整える治療の役割を分けたことが、併用治療のポイントです。

治療前後の変化

矮小歯とすきっ歯を矯正とラミネートベニアで治療する前
Before
マウスピース矯正とラミネートベニアによる治療後
After
治療前のすきっ歯と前歯の噛み合わせ
Before 前歯が噛んでいない状態
マウスピース矯正後に改善した前歯の噛み合わせ
After しっかり前歯が噛んでいる
矮小歯にラミネートベニアを行う前
Before
矮小歯をラミネートベニアで整えた治療後
After

治療結果と患者様の感想

治療後は前歯の隙間と噛み合わせが改善し、矮小歯の幅と形も周囲の歯になじむように整えました。

今までコンプレックスだったすきっ歯が治り、人目を気にせず思い切り笑えるようになりました。口元に自信が持て、鏡を見るのが嬉しくなりました。小さかった歯もラミネートベニアできれいに仕上がり、満足しています。

この症例のリスク・副作用

  • マウスピースの装着時間が不足すると、計画どおりに歯が動かない場合があります。
  • 矯正治療に伴い、痛み・違和感・歯根吸収・歯肉退縮などが生じる可能性があります。
  • 治療後は後戻りを防ぐために保定装置の使用が必要です。
  • この症例では歯を削らずにラミネートベニアを行いましたが、歯の位置・形・色・噛み合わせによっては歯を削る場合があります。
  • ラミネートベニアは、強い噛み合わせや歯ぎしりなどにより、欠け・脱離・再治療が必要になる可能性があります。
  • 治療期間や仕上がりには個人差があります。

矯正とラミネートベニアの併用を検討するケース

  • 矮小歯があり、歯並びや噛み合わせにも問題がある
  • 複数の隙間を矯正で適切に配分してから歯の形を整えたい
  • 矯正だけでは矮小歯の幅や左右差が残る
  • ラミネートベニアだけでは歯が不自然に大きくなる可能性がある

矮小歯でも、歯並びや噛み合わせに大きな問題がなければラミネートベニア単独を検討できる場合があります。ラミネートベニア単独とマウスピース矯正併用の症例比較もご覧ください。

すきっ歯の治療法全体を比較したい方は、すきっ歯を矯正・ラミネートベニア・併用で治療する場合の費用と期間で詳しく解説しています。

よくある質問

矮小歯のすきっ歯は矯正だけで治せますか?

隙間を閉じることはできても、矮小歯の幅や形は矯正では変えられません。歯の位置、噛み合わせ、仕上がりの希望によって、ラミネートベニアやダイレクトボンディングとの併用を検討します。

ラミネートベニアだけで治療できますか?

歯並びと噛み合わせに大きな問題がなく、歯の小ささが隙間の主な原因である場合は検討できます。歯の位置も整える必要がある場合は、矯正との併用が適していることがあります。

ラミネートベニアでは必ず歯を削りますか?

この症例では歯を削らずに治療しましたが、すべての方に同じ方法が適用できるわけではありません。歯の位置、厚み、色、噛み合わせ、希望する形によって処置量は異なります。

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【執筆・監修者】

Mouth Peace 矯正歯科 院長 中村竜三(歯学博士)

Mouth Peace 矯正歯科(大阪府松原市) 院長

中村 竜三 Ryuzo Nakamura

  • 歯学博士
  • インビザラインドクター
  • 国際口腔インプラント学会 認定医

広島大学を卒業後、同一の医療法人に約8年間勤務し、副院長を務めました。一般歯科で多くの患者様を診るなかで、天然の歯を長く残すには噛み合わせと歯並びの改善が欠かせないと考えるようになり、歯科スタディグループ SJCD で咬合を学んだのち、矯正治療へ軸足を移しています。

はじめはワイヤー矯正を中心に100症例以上を担当。その後、尾島賢治先生のセミナーをきっかけにマウスピース矯正へ本格的に取り組み、2023年11月にMouth Peace 矯正歯科を開院しました。ワイヤー矯正で培った「どの歯をどう動かせば理想の仕上がりになるか」という知見を、マウスピースの設計にそのまま活かしています。

現在は、他院で「マウスピース矯正では難しい」と診断された方のセカンドオピニオンを中心に、毎月50件以上のご相談をお受けしています。マウスピースの設計はすべて院長が一人ひとりに合わせて行い、矯正だけでは解決しない症例に備えて、インプラント・セラミック・歯周治療・咬合の再構築まで当院内で対応できる体制を整えています。また、全国の歯科医師に向けたセミナー講師や症例検討会での講演も務め、現在も学会・研究会での研鑽を続けています。

略歴

  • 広島大学 卒業
  • 医療法人にて約8年間勤務/副院長を務める
  • プリベンチャル守口駅前歯科 勤務
  • 2023年11月 Mouth Peace 矯正歯科 開院

所属学会・研究会

  • 日本アライナー矯正歯科学会
  • 日本顎咬合学会
  • 国際口腔インプラント学会
  • 即時荷重研究会

講演・受講コース

  • 日本アライナー矯正歯科研究会 症例検討会 講演
  • 即時荷重研究会 症例検討会 講演
  • Ciao 特別講演
  • ドーソンアカデミー(米国式・咬合のコース)受講
  • FIDI インプラントコース 受講

診療で扱う分野

  • マウスピース矯正(インビザライン)
  • ワイヤー矯正
  • 噛み合わせ治療
  • インプラント
  • セラミック治療
  • 歯周治療

本記事は、Mouth Peace 矯正歯科 院長・中村竜三(歯学博士)が執筆・監修しています。内容は診療ガイドラインや学会・研究会での知見、および当院での診療経験をもとに作成していますが、症状や適切な治療方針には個人差があります。気になる症状がある場合は自己判断をなさらず、歯科医院にご相談ください。
なお、矯正治療は自由診療(保険適用外)であり、歯の痛みや違和感、歯根吸収、後戻りなどのリスク・副作用を伴う場合があります。